○○○は君のもの
こちらはですね、黒井羊太さま主催の「ヤオヨロズ企画」参加作品です。
擬人化ってやつです。
ええと、私の作品はですね、
何を擬人化しているのか、わかりにくいかもしれません。
よーく読んでくださいね。そして、
それでもわからなかったら、感想欄へ(笑)
君はいつも、美味しそうに食べるね。
なんでわかる? そりゃわかるよ。
君の熱が、伝わってくるから。
君が僕を手にしてさ、
そうして口へと運んでいって。
ひと口食べると、君は必ず「冷たい」って言って、
くしゃくしゃさせた笑顔を映すんだ。
君は本当に美味しそうに食べるね。
うらやましいよ。
恨めしいくらいにね。
え?
だって、僕は知らないんだもん。アイスの味。
冷たいのはわかるし、君の笑顔も映るんだけど……
僕はただ、君の口へと運ぶだけ。
バニラアイスは、君のもの。
「僕はただ、君の口へと運ぶだけ」
だって、僕にはお口がないんだもん。
……僕が誰だか、わかった?