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救出へ

作業ゲーと化した開封作業。

缶詰やら本、ちょっと反応に困るもの、R指定のものと色々だ。

中には服を買っている人もいてありがたい限りだ。


さて、商品の開封作業も残りわずかで何度目かになる知り合いの商品に手をかける。こればっかりはなんだかちょっとドキドキする。だって知り合いの注文したものの中にR指定のを何度か見たんだもん。

これは高校の頃の男友達のダンボールだ。

有名大学に入ったかなり頭のいい友人で最近はあっていないがあいつのことだから勉強道具かなんかだろう。

ベリベリとミシン目に沿って開封するとビデオカメラにデジカメの一眼レフとその外付け機器に望遠レンズなどカメラの周辺機器が入っていた。


「ほぅ、なかなかいい趣味じゃないか?」


そういえば昔野鳥を観察に行く趣味があるとかなんとか言っていた。おそらくそのためのカメラなんだろう。使えそうなものが入っててちょっとうれしい。が、どうやって充電していいものか迷う。コンビニの商品の中には充電器もあるのだが電池だって数に限りがある。トランクルームの持ち主の誰かがDIYが趣味なのかそれとも仕事用なのか小型の発電機と電動工具なども入っていたので使い方さえわかればどうにかなりそうでもある。


「むぅどうしようか?……次だ次」


次は大学の先輩の荷物のようだ。実家の近所に一人暮らししてるから時折あのコンビニか裏のスーパーで会うこともある。

先ほどに比べて少し大きいようで何が入ってるのか楽しみだ。先ほどの収穫を考えると使えそうなものである可能性が高いはず。手を揉みしだきながらワクワクとダンボールに手をかける。


「何かな?何かな?何がで〜る?何かな?何かな?何かで〜る?」


鼻歌交じりにダンボールを開けるとキャンプセットが入っていた。

飯盒に寝袋、その他細々としたキャンプグッツ。あとはワクワクキャンプと書かれた手引書のようなもの。


「そういえば会社の同期でキャンプに行くとか言ってたな。でもなんでコンビニ受け取りに、あぁそっかトランクルームね」


トランクルームの中にあった未開封の真新しいテントにバーベキューセットの謎が解けた!

新人の懇親会で仲良くなったメンバーでキャンプに行くと自慢げに言ってた先輩の顔を思い出し「ありがたく使わせてもらいます」と呟く。

キャンプ道具は全部箱から出してすぐに使えるようにすると後でコンビニ商品もすぐ使えるよう開封しておく方が良さそうだと思う。


「next!」


次に手にとった箱の名前を確認する。


「こ、これは!」


高校の頃好きだった女の子だ!これは気になる。スーツケースの後に回すべきか?いや!それは変態チックだな。

よし!今開けよう、さぁ開けよう!?


「ごか〜いちょ〜う!」


他のものより丁寧に開けたダンボール。

中には色とりどりの布に裁縫道具と思われる小物それからコスプレ道具の数々。


「お、おぅふ」


レイヤーさんでしたか…

ちょっと意外な趣味に戸惑う。清楚系でのほほんとした顔立ち、見るからにお嬢様のようで頭も良く模試では100位圏内のトップ争いをしていた彼女がコスプレ趣味を持っていたとは誰も想像できないだろう。

魔法少女みたいなものからリアルなナース服に巫女服。

むむ?

ビキニにベビードール、布地が少ない下着いや!これはランジェシーと呼ぶにふさわしい色とりどりの宝石が!

その数々にちょっとびっくりするがどれもこれもコスプレ用なんだろうと思われる。


「まさかコンビニ受け取りでこんな……」


まさかのギャップに軽く引きつつも興奮してしまった。

危ない危ない。だが女性用の衣類には違いない。下で寝ている彼女たちに一応見せて着るかどうかは本人に任せよう。

さて次はトランクとスーツケースの番だ。ほとんどは鍵がかかってないみたいだがかかっているものもある。

鍵は単純に番号を合わせるタイプと鍵が必要なタイプのがある。

だがな、関係ないのだよ!

こっちには工具があるのだ!

ありがとうDIYの人。


トランクの中はカバンやら服が多かった。しかも冬服が多い。おそらく季節物の服をトランクに詰めて楽々模様替えという算段なのだろう。ゴルフバックや釣り道具も発見し異世界生活もなんとかなりそうな気がしてくる。

鍵のかかっていないものは全て開封し次は鍵を工具で破壊して確認作業。

中身は鍵なしのものと大差ないものが多いがいくつかのスーツケースには食器や手作りのアクセサリー類が入っていた。値段もしっかり描かれていることからフリマか露天の商品なんだろう。もしかすると服もその類かもしれない。

その後何かの残骸を整理していると自転車の部品や車のタイヤまであることに気づく。やはり広範囲に渡り渦に吸い込まれたと見るのが正しいだろう。

次元収納の整理を終えると深夜3時を回っていた。


そろそろ寝ようかと思うが色々としてる間に目が完全に冴えてしまった。

手持ち無沙汰になった俺は暖炉で乾かしていた服を回収するとビッチの下着と水着、それにバスタオルを洗うことにする。すでに色々と発掘して免疫がついた為か洗うことに躊躇はない。ただ男としてちょっと気になるだけだ。これはやましい気持ちなんてないはず!信じてほしい!ちょっと匂いを嗅ぐぐらいは大丈夫。

自分の中にある何かに言い訳しながら洗い終えると暖炉の前で干す。すでに薪代わりのドアは半分ほど消費して時刻は4時前だ。まだまだ暇を持て余す。

さすがに書斎で本を漁ると起こしてしまいそうなので今度は手記に書いてあった野外監視システムを使ってみることにする。

使い方はいたって簡単。石の机の角についてる円形の模様のどれかに手をついてキーワードを言うだけ。


「起動」


机の中から発光体が飛び出すと四角い枠を作り出す。

枠の中が徐々に色を作り出すと玄関のすぐ外を映し出す。


「うん、誰もいない。」


机の上には光る文字が浮かび上がり監視システムの切り替えボタンがいくつも存在する。使い方は手記に書いてあった上に机に浮かび上がる文字は日本語で書かれているので読めば簡単に理解できる。画面を切り替えるためのボタンを押すと8分割された小さな小窓に変わり野外の6箇所の映像が映し出され2箇所は真っ暗で何も見えない。


1、洞窟のすぐ外

2、川まで続く獣道

3、川の上流

5、城の城壁

6、城の地下道に通じる隠し通路

8、川の下流街の入り口付近


監視システムに映し出される映像を見ながら城の様子を伺う。この机から見ることができるのは本来8箇所、隠し部屋からは数十箇所見れると書かれていたのだがどうやら長い月日の間にこの机を通して見れる場所が2箇所減ったみたいだ。

どれも岩や崖につけた魔法陣を利用した監視システムらしくかなり俯瞰で見えているが望遠機能もついているみたいだ。

机の光る文字を読みながら監視映像を確認して行く。


洞窟の外と獣道には特に変化はなく雪が降り積もってることしかわからない。

上流も異常はなくこの場所から城へと侵入する通路に向かう地下道を掘ってあると手記には書かれてある。

次に隠し通路なのだが城への出口付近に何やら蠢く影がある。まだ地下を探しているのだろうか?

城の城壁を見るとそこはちょうど俺たちが渡った川の城壁だった。見張りの兵士の数が少ないように思えるが街の入り口付近には多くの兵士が見回りをして何かを探している様子。

あちこちで兵士たちが声を掛け合ってせわしなく動き回っている。


「もしかして俺たちを探してる?」


他の監視場所を何度か見比べるが地下道の城側にある出入り口には未だに動く影があるが兵士が大勢いるのは街の方だけだ。


「声聞こえればいいんだがなぁ」


人間と言うのは欲張りでちょっとでも便利を覚えるとあれもこれもと欲しがってしまう。

しばらく様子を見ているが兵士の数は減るどころかむしろ明るくなるにつれ警戒する人数が徐々に増えてるような気さえする。


さてお気づきかもしれないがこの家には城への侵入ルートが存在する。まぁ気づかないほうがおかしいんですがね。

この家の主人であったキリシマタカヤがどれだけ昔に召喚されたのかわからないが少なくともあの城はタカヤが家を建てたというか掘った?時にはすでに建っていたことになる。

手記には仕返しというより復讐であろう話が書かれてあったから彼らもあの城で召喚されたのではないかと思う。

召喚儀式の調査結果と異世界人が逃げ込んでくる可能性を考えて作られた仕掛けの数々を考えれば十中八九そうだと言えよう。

だがそう考えるとどれだけ神経太いんだと聞きたくなるところだ。

どう考えても自分を探して追ってくるやつらの目と鼻の先で生活しようと考える神経はおかしい!

俺は今すぐにでも遠くに逃げてしまいたいところだ。現に街の入り口が慌ただしく、馬を駆る兵士や犬ぞりを走らせてどこかへと向かう兵士たちを見てしまうと即こんな国から逃亡したい。だが見つかるリスクを考えるなら当分この家からも出たくない。


ちょー怖いまじ怖い。


だがそんなことも言ってられない。俺はもう一度城へと侵入する必要がある。

理由は単純にビッチを助けに行くためだ。勇者君は手帳の内容からしてちょっと保留中。

本当はもうちょっと様子を見てからにしたいところなのだがアヤとマナミが自分たちだけ助かったのがなんとなく居心地が悪いようなのだ。

一見明るく見えても時折何か考えてコソコソ話し合っている様子にマナミがアーチェリーを点検するときの真剣さは競技者というより何か思いつめた感じに見えた。

多分助ける算段を立てているんだ。俺は本当いうと助けなくていいならこのまま逃げたい引きこもりたい。だが流石にそうはいかないだろう。女性2人が行くという決意を決めてそうなのに俺が留守番?無理無理!

そこまで落ちこぼれてなどいませんよ。

なら一番リスクの少ない方法をとるに決まってる。

せっかく侵入ルートをここから監視できるんだからサクッと行ってサクッとつれて来ればいいのだ。


というわけで4時も過ぎたところで外の様子を考えると今のうちに行ったほうがいいような気がする。

2人はまだ寝ているし昨日のことを考えればすぐに起きてこないだろう。念のため2人の朝ご飯用の弁当とサンドイッチにお茶を机の上に置くとメモ帳に書置きを書いていこう。


『暖炉の薪が心もとないのでその辺で拾ってきます。ご飯でもパンでも好きな方どうぞ。時間があるなら手記を読んどいてください。』


うん完璧だな。どう見ても助けに行ったとは思わないだろう。これであとを追ってくることはないはずだ。

次元収納から誰のかわからない男物の防寒具を取り出す。トランクルームにスノボーを預けてた誰かさん。お借りしますよ。返さないけど。

準備もそこそこに玄関でこれまたスノボーくんの靴を拝借して救出に向かう。





先ほど確認した獣道をザクザクと雪を踏みしめて進む。いつの間にか吹雪も収まり雪崩が起きたのか洞窟の外にあった雪がなくなり今では足首ほどの雪しか積もっていない。

右も左も雪の銀世界。といってもまだ薄暗いので灰色なんですけどね。

道しるべがないので召喚された時に気絶してた兵士から失敬した短剣でその辺の木に等間隔で小さなバツ印をつけながら進む。本当はこんなことしてしまってはダメなんだろうが迷子になるよりマシだ。

時折ウサギのような動物がいるが背中に氷柱つららのような棘がついてることから普通のウサギではない。他にも見た目は鹿なのだか尻尾が2メートルほどの長さで尻尾の先が鋭い槍のようになっている奇妙な鹿がウサギと戦ってるのが遠くから見える。ウサギは縄張り意識が強いせいで小さい体のくせに少数で活動しているみたいだが鹿は群れを作っている。あれでは鹿が有利のように見えるのだがウサギは背中の氷柱を飛ばして攻撃してなかなかいい勝負をしている。

どちらも明らかに危険である。バレないように息を殺して獣道を進む。

ザクザクと音がなる雪が憎らしい。

緊張しながら進むと真っ白な毛玉が目の前数メートル先に飛び出してくる。背中には氷柱のように鋭い氷、目は真っ赤で鼻をヒクヒクとしている姿は愛らしい。


ウサギだ。


背中に氷柱の生えたウサギよく見ると耳の先にも尖った氷がついてるように見える。うん、氷柱ウサギと名付けよう。

氷柱ウサギが木の影から飛び出してきたかと思うとルビーのような瞳でこちらをじっと見つめる。


ハロー、グッモーニン!昨日はすごい吹雪でしたね?

ん?どうしたんですか?そんなにこっち見て。

え?俺の顔に何かついてる?

あ、髪の毛ボサボサってことですか?

いや、ほんと小論文書けたら散髪に行く予定だったんで、す、が………


『キュイ〜〜』


ウサギらしからぬ鋭い牙を向いて威嚇してくる。


「ですよね〜」


見た目は真っ白で可愛らしいウサギなのだが殺気と背中の氷柱がメキメキと言い始めると周囲の気温が下がったような気がする。


『キュ!』


可愛い鳴き声を発すると背中の氷柱が俺めがけて飛んでくる。


「うぉ!ぶへっ」


咄嗟に身体をよじって回避するとすでに氷柱ウサギは俺めがけて飛び込んで後ろ足で横っ面を蹴り込んでくる。

木製のバットで殴られたかのような衝撃とぐらりと脳を揺さぶられるような心地よい感覚を覚えたかと思うと口いっぱいに広がる鉄の味。


「っつ〜」


どうにか意識を飛ばされずに済んだがいつの間にか雪に膝をつきうまく力が入らない。まずいと思った時には氷柱ウサギが二撃目蹴りを浴びせるため木を足場にこちらに飛び込もうと身体を沈め込んでいる。

やばい!そう思うが身体にうまく力が伝わらない。


『フル〜フロロロ〜』


バサッ


『キュン』

「へ?」


フルートを奏でるような奇怪な鳴き声とともに白と若草色をした鳥が氷柱ウサギと俺の間をすごい速度で通過する。


「うわっ!」

ビチャ!


氷柱ウサギの首元から鮮血が飛び散る。

驚いたのもつかの間すぐさま旋回してきた鳥が今度は上から氷柱ウサギの胴体を片足で押さえつけると嘴を大きく開ける。白い体に若草色がよく映える綺麗な姿で耳のように頭から突き出た羽角が特徴の鳥。地球にこんな色はいなかったと思うがシルエットはミミズクだ。


『フル〜フロロ〜、ファ〜〜』


またもフルートのような鳴き声を発すると嘴の先に青白い光が集まる。

光の粒が次第に大きくなると徐々に円形から三角錐のような形に変形し綺麗な氷の結晶となる。

キラリと薄暗い森の中で発光したか思うと氷柱ウサギの首に突き刺さる。


トシュ


つい先ほどまで俺に殺意を振りまいていた氷柱ウサギの目が光を失う。


「つ、つえ〜」


これが手記にあったジョブ持ちの動物、いわゆる魔物なのだろうか……

ミミズクの戦闘に見ほれていると「フル」っという鳴き声とともにこちらに顔を向け首を軽くかしげる。


やばい、目があった!


蛇に睨まれたカエルのごとく身体を硬直させる。ミミズクは少し目を細めると反対側に首を傾げてみせる。

どうしていいのかもわからず真っ白になる頭。あんなのと今戦ったら一溜まりもない。だがこの世界はどうかわからないが動物と目を合わせてしまったら目を逸らしてはいけないと聞いたことがある。恐る恐るゆっくりと手を動かしポケットに入れるとコンビニの塩焼き鳥を取り出す。

もう自分でも何してるのかわからないが今はこれが最善策のような気がする。

現にミミズクも俺の様子を伺ったまま首を左右に傾げてどうしようか迷っているようだ。

慎重にゆっくりと手に持った塩焼き鳥をミミズクに見えるように掲げるとゆっくりと足元に置いて数歩後ずさりする。

すると先ほどまで様子を伺っていたミミズクが焼き鳥に向かって一歩づつこちらを警戒した様子で歩み寄る。

焼き鳥の目の前まで来ると目はこちらを向けたままゆっくりとかがんで焼き鳥を一度ついばむ。身体を起こすと嘴の先に着いた焼き鳥のカケラを毒の有無を調べるように舌で軽くつつくと目を大きく見開き勢いよく焼き鳥を食べ始める。


「ふぅ」


どうやら気に入ったようで一心不乱にこちらを気にせず食べるミミズク。今のうちにここから逃げようと一歩足を進めようとするがすでに焼き鳥を食べ終えたミミズクが翼を大きく広げてバサバサと羽ばたかせる。


『フル〜フロロ〜フル〜ファ〜フロロ〜〜』


森に響き渡る綺麗な音色

目を細めては見開き嬉しそうに翼を羽ばたかせると俺の体の周囲を淡い光の粒が舞い踊る。


「え?え?」


攻撃されるのかと身構えるが光る粒子は暖かく先ほどまで緊張していた体がほぐれて少し軽くなった気がする。

よくわからないが敵対行為ではないらしい。

1分少々ミミズクの歌声が鳴り響くと体の中に光る粒子が入ってくる。暖かな心地よいそれでいて力が沸き起こるような感じだ。


「あ、ありがと…う?」


一応お礼を言うと再び獣道を歩き進めて行く。

ふと後ろを振り返ると先ほど仕留めた氷柱ウサギを掴んでどこかへ飛び去って行く後姿が見えた。




監視映像にあった川の上流まで大体1時間といったところ。実は昨日逃げる時に下流に行きたかったのだがいつのまにか上流に向かって登っていたようなのだ。そのおかげであそこを見つけたのだからいいんだけどね。


さて上流はかなり川の勢いが緩い。

とはいえ深さは2メートルほどで川幅も60メートルはある。


「はぁまた泳ぐのか…」


昨日の今日でこれは流石にうんざりするが仕方ない。タカヤは昔はどうやって渡っていたのか気になるが服を脱ぐ。


「さっむ!」


今は誰もいないのでもちろん全裸だ。

ガクガクと小刻みに震える身体に気合を入れて川を泳ぐ。昨日は必死だったので気づかなかったがどうもこの川の魚は日本の川魚に似ている気がする。鮎っぽい魚がいるのだが美味しいのだろうか?

などと考えながら川を泳ぎきると昨日のイケメンバスタオルを使うとそこでふと思い出す。


「あ、ビッチちゃんの水着干しっぱだわ」


この分だと助けてきても服のまま入るか脱いでもらうかしかないがこの寒さだと…

でも誰かのコスプレ用の水着もビキニもあったしトランクルームにはウエットスーツも……無理か?


「まぁ…いっか」


今更戻るわけにもいかないのでそのまま隠し通路に向かうことにした。

城からはかなり離れているように思うが昔は王族の逃走用通路の一つとして作られているはずだと書かれた手記からすると当然のことだろう。タカヤがどうやってそんなものを見つけ、それを改造して異世界人にしか認識できないようにしたのかはよくわからないが使えるものは使う。それだけだ。

拳大の魔法陣がつけられた岩に手をかざす。


「解錠」


ゴゴゴゴと鈍い音とともに岩が動き始めると地下へと続く階段が現れる。

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