シーフの記憶
かなり久しぶりの投稿です。
文章力がないので、なるべく違和感をなくすことに気を付けるのが精一杯です。
読みづらいですが、楽しんで読んでいただけると幸いです。
ザブンッ!チャプッチャプッ
(はあ、やっぱりまだ血生臭いなあ。感覚も残ってるし、、、なんか変な感じだな。)私は自分の顔に手を当て、スゥーと匂いをかぐ。
あの後、私達3人は2人の家に到着して、私はさっきのせいで服がボロボロで血まみれになっってしまったため、今はお風呂に入らせてもらっている。
(あの時なんで動いちゃったんだろう?女の子のためっていうのはしょうがないとしても、なんであんな野獣をあっさり殺ろうと思って事実、殺れてしまったんだろう。)そんな、今考えたところで仕方ないようなことを考えながら私はお風呂から出て用意してもらった服に着替える。(いつも着ている服とは違うけど結構可愛い♪)
「あの!お風呂を貸してくださり、ありがとうございました!あと、服も!!」着替え終わった私は二人に頭を下げた。
「気にしないで。アネラを助けてもらったお礼だよ。母さんの服がピッタリで良かったよ。」そう言って男の人は安心したような顔を見せる。
「お姉ちゃんママみたい!その服ママがよく着てたんだよ!!」
アネラちゃんは私の元へ駆け寄ってきて相変わらずの上目遣いをしながらはしゃいでいる。(カワイイ!!!ん?あれ?ママのなの?)私は焦って脱ごうとして、ボタンに手をかけた。
「え?それじゃあ、お母さんに迷惑かけるんじゃ!!」
「大丈夫だよ。母さんいないから。」あまりに衝撃的なその言葉は、この上なく、あっさりと、淡々と、穏やかに、発せられた。
「え、、、」私は固まることしかできない。
「死んだんだ。死んだというより殺された、、、かな。」
「殺されたって、誰に?」初対面の人間にしては踏み込みすぎともとれる言動だったが、私はこの件について何故か、聞かずにはいられなかった。
すると、男性はチラッとアネラちゃんに目をやってから。
「この続きはご飯のあとで話そう。アネラを寝かした後で。」
確かに誰がどう見たって、こんな幼くてカワイイ少女に親の死因を話せる訳がない。私が一人納得していると。
「はい、アネラ。ご飯を運んで下さーい。」
「はーい!」早速ご飯ができたようだ。ちょうどお腹もグーと鳴る。それもそのはず、いつもなら部活終わりには買い食いしているのに今日は部活終わりから何一つ、口につけていないのだ。
「これ、お姉ちゃんのだよ!!」アネラちゃんがグラタンのような料理を両手に持って、私を見ながらそう言った。
(ああ、、、カワイイ)
私は少女のあまりの可愛さの余り、プルプル震えながら顔を手で隠した。指の間から覗いたアネラちゃんはきょとんした顔を浮かばせていた。(やめて、これ以上私を見ないで!耐え切れないよ)
褒め過ぎてもう褒め言葉にも聞こえないような感情が生まれる。
そして、ご飯を食べている最中に様々な会話をした。
ここがソバージュ地方のフォレット王国という国の領地に属している村ということ。この世界には不思議な力を使う通称ベートという魔獣がたくさん住み着いていること、この青年の名前はシーフ、年は17歳。職業はシャサールと呼ばれる村に迷いこんだベートを退治したり、追い払ったりしている。いわば門番や狩人のようなものだ。そしてこの家の家事を全てこなす女子力高い系男子。そしてアネラちゃんはわずか4歳。あの時にベートに襲われたのは、留守番中にコッソリ森に遊びに行っていたのだとか。その時シーフも仕事で森に出ていたため駆けつけて来れたらしい。
「それで、刀鹿はどうしてあの森にいたの?」シーフが尋ねる。
私は、ここに迷いこんだ時に見たキツネのことを話した。
その時、なにか忘れている気がしてならなかった。何だろう?一体私は何を忘れているん
だろう?
そして、ご飯を食べ終わるとシーフはアネラちゃんを寝かせて、テーブルに戻ってきて、「ふぅ。」と椅子に座り込む。
私はずっと気になっていた質問をした。
「ねえ、さっき親が殺されたって言ってたけど詳しく聞いても良いかな?」
「いいよ。今日、初めてあったばかりの人に言うのは気がひけるけど、アネラを助けてもらった恩もあるし、話も途中のままだったからね。先に言っておくけど長くて重い話になるよ?」
「うん。それでも聞きたい。」
私は変な正義感から、どうしても聞かずにはいられなかった。それがたとえ不謹慎な内容でも、それを話すのが今日初対面の人でも。
「さっきも言ったけど、オレたちの親は死んでしまって、もういない。殺されたんだ。でもその前に、順を追って説明するよ。」
「ゴクリ。」私は黙って固唾をのむ。
「オレとアネラは兄妹じゃない。別々の親のもとに生まれた赤の他人だ。」シーフは私の目をまっすぐ見て落ち着いて話す。
(え?)私はすっかり、固まってしまった。
「今から3年程前の話だ。オレが13才で、アネラは生まれてからまだ数ヶ月だった。」シーフは語りだした。今から3年程前に起きたことを。
その日、オレは親父に仕事を教えてもらうために森に入ってベートを狩っていた。その時、一人の悲鳴が聞こえてきた。
「おい!こっちへ来るな!」
オレと親父は、すぐにその悲鳴のもとへ向かった。
そこには、生まれたばかりの子を抱いた母親らしき女性と、父親らしき男性がベートに襲われかけていた。象を即死させるほどの毒の牙を持つサーベルタイガーのベートだ。最悪だ、早く助けないと!スッ。親父がオレの行動を遮るように手を出した。
「シーフ、お前はここで見ていろ。お前にアイツは危険すぎる。」
「は?んなこと言ったってどうすんだよ!?」
「俺が一人でやろう。うまくいけば全員助かる。」
「だからって、親父一人にやらせられる訳がないだろ。それに、オレはあの親子を助けたい。教えてくれ、助け方を。それがシャサールの仕事だろ?」オレがそう言うと、親父は鼻で笑った。
「フッ。お前が減らず口を叩けるようになっていたとは思わなかった。」
「おい!?」
「いいぜ。教えてやる。そのかわり、しくじったら承知しないぞ?」
「ああ、何でもこい!」
いかがでしたでしたか?
今回も触れましたが、次回は過去編になります。
なるべく早く投稿いたしますので、次回も何卒よろしくお願いします!