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休息のひととき
彼女の名前は桜、月影桜
天才を集め育成する月影グループの実の娘である。
彼女、桜からすればそんな事はどうでもいいようだ。
掟というしがらみのせいで全てを禁じられている事が、苦痛でしかないからだ。
いくつの頃からだろうか、思うように行かないことが当たり前になり始めたのは。
確か、4才の頃からはずっと教育でいっぱいだった気がする。
その時から今に至るまでに一つだけ同じ事ばかり教えられてきた。
それは父の「お前は優秀だ、天才だ、だから月影を継げ」だった。
正直うんざりだった、少し出来ただけなのに、どんどん量が増えていった。
もちろんバレないようにわざと間違えたこともあった、でもその日から、さらに地獄になった。
拷問の耐性強化、洗脳の耐性強化、戦闘訓練、人の殺し方、さらには言うことを聞くように暗示もかけられているみたいだった。
つまり、お人形さんで居ろ、という事だった。
そんな事を続けていると、一年が経っていた、利口にしていた桜は父に一つだけお願いを聞いてもらった。
毎日の自由時間を設けてもらうことだった、日中の十時から十一時の間の一時間だけもらうことが出来た。
ただでさえつまらない世界に囚われたくないという浅はかな考えだ、毎日の楽しみがその一時間だった。
彼と出会うまでは...。




