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歪んだ愛情と禁忌に触れた天才
人間は欲張りだ、すぐに持っている物と違うものを欲する。
今、私が見ている彼女は特に欲張りだ、彼女は学力、運動能力、技量、容姿、性格、全てに置いて天才の域を超越している。
それなのに、まだ能力を欲している、その十分過ぎる力を超えて、さらなる高みへ。
彼女は全て持てるはずなのに、それをしない。天才ゆえなのか、その天才に見合う者がいないのか...私が見ている限りでは前者であると言える。
それは自分よりも全てにおいて下の、だが、努力と才能の恩恵を受け彼女に追いつこうと這い上がっている男だ。
彼を見ている彼女は心底嬉しそうに頑張れ、と言いながらでも追いつけないよ、とイタズラをする子どものように笑う。
彼が追いつけないようにさらなる力をつけて。
