お隣さん!
アルシーと別れた後のシルベリータ
「シルベリータ、アルシー様とどんなお話してたんだい?」
これはシルの父親、フォンダー候、序列ではジャンヴァルディ候の3つ程下の地位にいる
「アルシーと?」
「な! 様をつけんか!」
「アルシーが嫌だって言ったの!」
「アルシー様が?」
「うん」
「そ、それならいいのか……」
序列で近いとはいえジャンヴァルディ侯爵領とフォンダー侯爵領の領力の差は歴然としていた
また、隣の領地であった為、ジャンヴァルディ侯はフォンダー侯に多額の支援を好意でしていた、それに対する負い目の表れでもある
「また、お話しようって言ったの!」
(まあ、社交辞令かもしれんが……噂によるとアルシー様は年に見合わない考えを持つとか)
アルシーがいれば
”それはあなたの娘です”
と言うはずだが、ここに彼女はいない
=====================================
誕生会も佳境に入り
ポツリポツリと会場を後にする者が増えてきた
(そろそろ終わりかな、夜まで続くと思っていたからこれは嬉しい誤算だ!)
今は昼を少し過ぎるかな? ぐらいの時間である
「アルシー!」
「どうしたの、シル?」
シルベリータが走ってやってきた
(ちょ! 危ないって!)
「私たちお隣さんだって!」
「え! 本当!」
「うん!」
「やった!」
「また遊びに来るね!」
「いつでもきてね!」
「お父様がもう帰るって言ってるから……今日はこれで帰るね」
「そうなの……じゃあ、またね!」
「うん!」
(お隣さんだったとは、マジで友達第一号だな!)
前世で基本的にボッチ体質だった彼はかなり本気に喜んでいる
(だけどあれだな、しょうがないとはいえ5歳の幼女が友達になるとは……)
心の中で項垂れている体勢で嘆いている彼の気持ちはだれにも分からない
「アルシー」
「父上!」
「そろそろ、お開きだ」
「疲れました……」
「もう少し我慢してくれ、この後はプレゼントを買いに行くんだから」
「え! 本当! やった!」
(そしてこういう事に素直に喜べるっていうのも、いいものだな)
「さっき話していた子は誰だい?」
「フォンダー候の娘のシルベリータ! シルって呼んでるの!」
「ほう(もう少し本格的な支援をしてやっても良さそうだな)」
「どうしたの?」
「ほかの子はどうだった?」
「んー、みんな遠くいた感じがしたの」
「遠く?」
「うん、だって、畏まってずっと話されるのがなんだか遠く感じたの」
「……そうか」
(ん? どうしたんだ父さん? そんな鋭い目をして)
「でも、シルは違ったよ!」




