表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2080年の黒魔導師  作者: ナルガEX
第一章 空中都市キメロ ~元凶の始まり~
4/5

第一話 エイン・アルバート

神はどうして残酷なのだろうか……何故理不尽なのだろうか……。


人は、自分の持つ能力に苦しみ、悩まされる。


能力の限界、能力の性質……。人はそれに逆らえない……。


人の本質を覆す物。それが魔術なのである……。


神は人に言葉を与えた……。それこそが魔術の始まりだった……。


では、科学とは何であろうか……。


科学は人に初めて宿った「罪」から造られた産物なのかもしれない……。



◆◆◆


『データ認証。指紋認証システム……チェック。静脈認証……チェック。網膜認証……チェック。指名エイン・アルバート。犯罪履歴無し。入街を許可します。しばらくお待ちください。』


中肉中背の男、エインは機械からカードを抜き取りため息をつく。


手で髪を梳かし、顔をあげると強い風が吹き付け整えた髪がボサボサに戻ってしまった。

エインは舌打ちをし、風に運ばれた砂をジーパンから払い落とし、赤い薄手のジャンパーの乱れを直した。


首からかけている鉄製の護符をいじっていると二重扉が自動的に開き、エレベータールームが現れる。


エインはそこに入りエリア8と書かれたスイッチを押し、壁に寄り掛かってそのまま動かず目を瞑った。


窓の外は人口的に作られた青い空が広がり、今までいた地上がみるみると離れて行く。


2分程度経っただだろうか。エレベーターのドアが開いた。


目の前には「Welcome to(ようこそ) Kimero(キメロへ)」と書かれてある。


エインはフードを被り、ジャンパーのポケットに手を突っ込んで歩きだし横目で周りを見回す……が、人の姿は見られない。


目の前には塔の様にそびえ立つビルの大群のみがそびえ立っていた……。




エインはビル群の中でも一番高い建物の前に立っている。


手には鉄製の護符が強く握られている。


扉に左手をかけ、開けながら右手に握る護符を胸の高さに持って行き、周囲を警戒しながらエインは建物に入った。


中はホテルのロビーの様な構造になっていて、フロントやテーブルなどが配置され普段どうりならば、快適に過ごせる空間となっている。


綺麗な花を咲かせている植物もあるが、エインの目は植物ではなく人影の無いフロントに向けられていた。



すると突然、アサルトライフルらしき銃を持ったスーツ姿の男がフロントデスクの影から現れ、引き金を引く。


聞き慣れている乾いた発砲音がロビーに響く。


しかし、エインが反射的に左手をあげると男の持つ銃が引き寄せられて左手に収まり、弾丸は右手に引き寄せられ消滅した。


男は背を低くして走り寄りナイフを取り出して攻撃を加えようとしたが、エインは男のナイフを蹴り落とし、そのまま回し蹴り。


蹴りは右頬に当たり、その男はあっさりと伸びてしまった。


この間約4秒。文字通りの電撃戦となった。


すると、ロビーに拍手の音が響き渡る。

エインが振り向くと、一人の男が立っている。


「いやぁ、素晴らしい! 君を雇って正解だったよ!」


「フレデリック。俺は雇われたつもりはない。依頼を引き受けただけだ。それにだ、俺の蹴りで伸びるような奴に警備は務まらないと思うぞ。」


そういいながら、エインは伸びたスーツの男を見る。


「流石に私はそこまでバカじゃないよ。あの子は新人。まぁ外の世界を教えてあげたってだけだけどねっ!」


気がつくとスーツの男は何時の間にか起き上がっていて、二人の話を聞いていた。


エインは男に銃を返し、「悪かったな」と一言。


男はただ黙ってフロントの奥方に消えてしまった。


「さてと、状況を説明してもらおうか。」


そういいながらエインはテーブルの前にあるソファーに座った。


◆◆◆


エインの目の前には「エリア9 WARNING」と大きく書かれた隔壁がそびえ立っている。


『昨日の午前8時にエリア9で爆弾テロが起きたんだ。幸い死者は出なかったらしいけど、犯行グループにエリア9を制圧させられてしまい、エリアの住人も何人か人質にされてしまって……。エリアを隔離して、うちの警備会社の人間が外に出ないように重装備で待機しているからエリア9からは逃げていない筈。エインさんには、犯行グループの拘束と人質の救出をお願いします。それと、その人質の中には大統領もいるらしくて少し厄介なんだ……。だから、そこ点もお願いね。』


というのがフレデリックの依頼だった。


そこの点と言っても、どの点なのかがイマイチ分からないが……。


「まったく、無茶させる気だな……。後で追加料金請求してやろう。」

そんな事を呟きながら、エインは魔方陣を背後に四つ立ち上げる。


目を瞑って意識を集中させ、隔壁を指差す。


すると、魔方陣が回転を始める。


次の瞬間、 物凄い轟音と爆発音を発しながら魔方陣は術を放つ。周りには視界が完璧に遮られる程に砂埃が舞う。


「ケホッ!ケホッ!やべぇ、加減し間違えちまった。まぁ、いいや。修理費は街に出してもらえば。」


エインは隔壁に大きな穴が空いていることを確認すると術で抉った地面に足を取られないように気をつけながら、エリア9に入った。



しかし、エインが入ったそこには信じられない光景が広がる。


街が破壊されているわけでは無い。犯行グループらしき人間達が周りに倒れこんでいた。いや、倒れている事はどうでも良い。


問題なのは、その中心に居る少年だ。


少年は目が虚ろになっていて、体から青白いオーラを放ち服は返り血らしき液体で赤く染まっている。

まるで、悪魔が地上に降臨したかのような地獄絵だった。

目を逸らしたくなる様な物も中にはある。これまで17年間生きてきたが、このような物は見たことがなかった。


腕は力が抜けてだらんとしている。


今日街に来たのが正直間違いだったかもしれない。


エインが口を開きかけたその時だった。

少年は目を見開き、波の様な物を出した。


突然の不意打ちにエインは反応しきれず、正面からそれを食らう。

体に焼けるような痛みが走り、そのまま気を失った。


なんか、セリフの少ない第一話になってしまいましたね(^_^;)

まぁ、しっかり更新して行きます。

評価、ご感想もよろしくお願いします。


(大幅の変更ごめんなしゃい)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ