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地下牢の姫

 コンラードには捕まえてきた奴隷の東洋人娘があった。

 言葉が通じず、コンは悩みの種を抱えてしまったと愚痴をこぼすものの、エキゾチックというか、謎めいた美しさに見惚れてしまう。

 あの、深い、タルタロス(冥府)のように深い闇。

 文字通り、突き落とされたら二度と這い上がれない深さ!

 コンは娘を手放したくなかった。


 だから、コンラードは、娘を地下牢に閉じ込めてしまっていた。


 

「まるでケルト神話のエスリン姫ね」

 リリスは鼻を鳴らす。

「エスリンって、たしか・・・・・・魔王バロールの娘?」

「そうよ。さすがね。ヘルマン様。バロールはディアンケヒトの息子のキャンと娘が結ばれてしまうのを反対する。なぜならドルイドが予言したから。あなたは孫に殺されると。誰とも結婚させないために、暗い塔へ幽閉するが、キャンにそれは通用しなかった。彼は光の神だからね。どこでもすり抜けられる。そしてエスリンの夫となったキャンと、息子である太陽王ルーフを殺そうとするのよ。今の状況がまさにそれ。相手は父親じゃないけどね」

 リリスはどっかりとイスに座り、ポルト酒を飲んだ。

「おいっ! それは俺の酒・・・・・・」

「まあまあ。かたいこといわないのっ。地下牢に閉じ込められたお姫様。ヘルマン、助けましょう」

 ヘルマンは皇帝を倒すなんて無謀だ、と反対したが、リリスは聞こうとせずに、

「あたしにまかせてよ。ね。悪いようにしないわ」

「悪いようにって」

「あなたの妻に、ふさわしいのよ」

 リリスは酔いつぶれたのか、だらしのない格好でいびきをかいて眠ってしまった。

「まったくもう! 話の途中でなんなんだよ!」

 ヘルマンは怒りながら毛布をかけてやった。

 そして、心に思うことは、地下牢の姫のこと。

「俺もクセノフォンになれるのかなぁ」

 ヘルマンはなんだか、うきうきと心を弾ませていた。 

 ヘルマンがかっこいい!?

 勇者タイプっていう感じじゃないんだけどなぁ。

 まあ、あれだな、御伽噺じゃないけど、リリスが全部やってくれるって言う得なキャラだし(汗。

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