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スキル

 ファンタジーの世界に行くとなって気になっていることが一つあった。それは自分の固有スキルのことだ。こうゆう世界の定番である。それが何になるかで自分の異世界人生が左右されるのだ。

「それで自分にはスキルなどが与えられるものなんでしょうか?」

聞かずにはいられなかった。

「はい。話が早くて助かります。これからあなたにスキルを授けます。」

「やった。それはどんなものなのでしょうか?」

「どんな能力になるかは発現してみないと分かりません。ですか、異世界の者は特異な能力を授かることが多いと聞きます。きっとお役に立つでしょう。」

「完全ランダムってことっすね。それこそ異世界転生です。早くやりましょう。」

「私も楽しみです。では!いきましょう!」

そうゆうと足元の魔法陣がひときわ光だした。

ブワァァァア!!!

するとその光が自分を包んだ。そして全身に光が行き渡ると魔法陣の光は大人しく沈み込んだ。

「…終わったんですか?」

「はい。これであなたにもスキルが備わったはずです。」

「それで!どんなスキルが!」

「慌てないで下さい。すぐに確認しましょう。」

天使ははしゃぐ子供を目の当たりにした時のように笑いながら、そして天使自身も期待するように言葉を発した。

「鑑定!」

すると2人の前にブンッとホログラムのように文字盤が現れた。

〈スキル:キノコ発生〉

『は?』

2人はハモった。

「はっ?えっ?」

ちょっと整理がつかなくて戸惑いをみせる。

「えっと…ん?」

どうやら天使も戸惑っているようだ。

「えーっと…これ、もう決定ですか?」

「えーっ…あーはい。決定です。」

「これって…」

残念そうに佇む自分の雰囲気を察してか、天使もなんとか取り繕うとしていた。

「えーと、基本的な説明にはキノコを自由に発生させるとなっています。………はい。」

おそらく天使様に取っても残念だったのだろう。それはそうだ。せっかく多用できない異世界人召喚を行ったのだ。期待は大きかっただろう。しかしその男の能力がキノコを生やすことだったのだ。スローライフをするならまだしも魔王討伐を掲げたあと、そんなガッカリする案件があるだろうか。心中お察しする。だが、今は自分の心中を察してくれ。ラノベのような展開が舞い込んできたと思ったら想像だにしない事態が起こったのだから。

「少々予想外でしたが、今までこのようなスキルは見たことがありません。」

(そうでしょうよ。)

「異世界人特有の異質なスキルなはずです。」

(異質すぎるよ。)

「必ずあなたの役に立つはずです。」

(ほんとにそう思ってます?)

「……だから元気だしてください。」

「………無理です。」

明るい言葉でなんとか士気をあげようとしていた天使だったが落胆は大きかった。お互い残念な気持ちを共有してるからこそどんな言葉も響いてこないのだ。

「と、とにかくこうなってしまった以上突き進むしかありません。予想していた方向性とは異なりますが別のやり方で道が開けるかもしれません。あなたはあなたにできることをやるのです。」

「…天使様すみません、せっかく機会をくれたのに期待にそえそうになくて。。」

わかりやすく落ち込んでいた。

「何を言うのです。元々賭け要素の強い方法です。上手くいく方が出来すぎとゆうものです。それにまだ逸材たちがこの世界にはいますから。希望がついえたわけではありません。」

(よくよく聞いてるともう俺には期待してないように聞こえる。)

「諦めないで下さい。あなたにはあなたの貢献の仕方があります。それが世界を救うことになるかもしれません。行動を起こせばそれが可能性になるのです。」

「…そうですね。せっかく与えられた命です。精一杯自分のできることをやってみます!」

「その意気です!」

さぞガッカリしたろうに力強い説得、やはり天使とゆう者は人格者なのだろう。少しやる気になった。なにより少しでもそう思わなくては自分が惨めになりそうな気がしてた。

「それでこれからどうなるのです?」

「あっ、儀式はもう終わったのでこれからその世界に転生してもらいます。」

「どんなとこから始まるのですか?」

「比較的平和な村に転生させます。その過程で成長期の若者へと年齢が若返りますので、転生したら近隣の村からきた若者とゆうことで振る舞って下さい。」

「なるほど。戦闘や魔法の使い方は?」

「転生したら色々試してみてください。それを自身で習得していくのも可能性を広げることになるやもしれません。」

「わかりました。」

ある程度ここで教えてもらった方が安心ではあるが、ゲームなどではたしかにその時その時やり方を覚えていくものであるなと自分を納得させた。

「あっ、魔王ってこれから復活するんですよね?討伐って言ってましたが、復活を阻止するとかじゃダメなんですか?」

「復活はもう止められない段階まできています。今からだとそれには間に合いません。あなたも力をつけていませんしね。ですが、魔王は復活してからすぐに猛威をふるうわけではありません。自身の力を蓄える必要があります。それまでの間、魔族の部下を使って侵略や準備を整えるはずです。あなたは魔王が力を取り戻し、侵攻を始めるまでに成長し、人類の危機を救ってほしいのです。」

「復活は止められないけど、破滅までに猶予はあるってことね。」

「はい。それでは転生を始めます。用意はいいですか?」

「おおっしゃ!気合い入れていくぜ!」

するとまたしても足元の魔法陣が光だし、今度は空間全体を光に包んだ。

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