『蔵人の母、鞍馬に祈り、蔵人、原文帳を積むこと』速記談5042
醍醐天皇の御代、どなたであったか、蔵人が、参内もせずに家にいた。母親があやしんで、どうしたのか尋ねると、蔵人は、帝のお具合がお悪いのだ、と答えた。母親が、早く参内しなさい、私は鞍馬寺に御平癒を御祈念申し上げるから、と言うので、蔵人は早速参内し、帝の御様子を伺うと、清涼殿で座って食事をなさっていらっしゃった。石灰壇で調理をしていたが、大風が吹いて、灯りが消えてしまった。蔵人は、原文帳を山のように積んで風を防いだので、もう灯りは消えなかった。この蔵人は、この後、重く用いられることになった。
教訓:火の周りに原文帳を積むのはどうかな。