ゲーム開始 ✭
天井から女の声が聞こえてきた。 どこかの放送室からはなしているようだった。
すると、この状況だは殺意を持ってしまうほど陽気な口調で放送が始まった。
「ランダムに選ばれてしまった、最高に運の悪いみなさん。これから皆さんには生き残りをかけた殺人ゲームをしていただきます。とりあえず、少しの間だけつま先でたってください」
そうやって女性が話した瞬間、俺達が文句を言う時間も与えられずに突然、中央の1番大きいと思われる扉が開き、黒いスーツの男たちが、何百人とでてきたのだ。 言葉を失った自分は口をポカンとしてア然した。 そして抵抗することもできずつま先で立たされた。 (何をしようとしているんだ?)と
祥は思っていた。すると黒スーツの男はポケットからスイッチのような物を取り出し、祥の両足のかかとに付けた。次に自分たちの手足のロープを切りとり、最後にその男は「決してかかとをおろすな!]とだけ言い残しその場を去って行った。
いまだに何のことかさっぱりわからない祥はずっと、頭の中を整理しようと必死だった。
また女の声の放送が始まった。
「みなさんのかかとに取り付けられたものは、地面に着くと自動的に起爆する爆弾です。つまりかかとをおろしてしまった時点で即死です! 上からはスナイパーが見張っていてその場に座り込むなど、セコイ事をした人は射殺されます。また他プレイヤーを殴る蹴るなどして強制的に相手を起爆させる事はOKとします。今つま先で立っている人は、約500人います。残り5人になるまでみなさん殺しあってください。5人になった人たちには賞金1000万と、ここからの釈放を約束しましょう。制限時間はありません。
それではみなさん、せいぜい足が吹っ飛ばないようにお気をつけてがんばってくださーーい!!
よーーーい スタ――ト 」
「はぁぁぁぁ?」と狂ったように怒りをあらわにする者、泣きわめく者、狂った用に笑いだす者、さまざまだった。 そんな中、祥は冷静でいた。
「生き残りをかけた殺人ゲームか。 誰が黒幕何だ?政府か?マフィアか?テロか? だが俺は負けない。」絶対に生き残ってやる。」 そう、祥は剣道の全国覇者。鍛え上げられた「足の筋力」はアスリート選手以上のものだった。絶対に勝つ という強い信念が祥にはあった。
そんな時、髪の長いちょっとくせ毛の男が突然祥に向かってきた。
「俺はしねない!しにたくないんだョォ!!」 狂ったようにその男はそう叫びながらやってきて、いきなり祥に殴りかかってきた。だが、祥はそれをスルリと交わすと逆にその男の背後に回って上から勢い良くたたきつけた。 その瞬間男はバランスを崩し思わずかかとを、地面につけてしまった。
祥は、被爆を恐れとっさにその場から離れた。「嫌だ!しにたくない!」それが男の最後の言葉となった。3秒後ものすごい爆発音とともに、くせ毛の男は息絶えた。あまりの残酷さに祥は思わず目をつむった。 「俺が・・・・・・人を殺した・・のか? くそっ まさかとは思ったが、本当の起爆スイッチだったなんて」改めて祥は自分の犯した罪を悔やんだ。
その男が突破口となり会場全体が大声とともにどよめき。周りに襲いかかる者や逃げまとう者がなどがいっせいに出てきた。 そして次々に爆発音が聞こえ、逃げ遅れて被ばくするものも出てきた。その爆発音のあった場所一帯には赤い液体が、白い地面に飛び散っていた。
悲鳴 狂った叫び声 爆発音 あやしい笑い声 一瞬にしてそのホール一帯は 地獄 へと変わったのだった。