死神の指示
「ねぇ、私のこと殺しに来たって言ってたよね。鎌とかで殺されるの?」
麗は半ば諦めていた。
どうせ殺されるなら、死因を知りたい。とまで思っていた。
「んにゃ違う。あんたの死因は過労死。上にそう決められてる。」
麗はニヤッとしていった。
「ほぼニートの私には無理なんじゃない?残念だったわね。」
麗は自分で行って不甲斐なくなり、顔をクッションに埋めた。
「なんいいよっとね。おいが育てるかい、安心しない。」
育てられる?私が?死神に?
「よし、まずはなんであんたが売れんか調べんとねぇ。」
そう言うと、どこからか取り出したパソコンで調べ始めた。
「漣麗…っと。なん?こん歌全然知らん。」
再生回数が1つ増えて、嬉しくなったのもつかの間、麗はイラッとした。
「確かにマイナーな歌だけど、いい曲なの!」
「原曲の再生回数も少ないがね。いい曲?おんなじ言葉繰り返しちょるだけじゃがね。」
「そんなこと…あるけど!一つ一つ違う意味があるの!」
「あーもう!こげな言い合いしちょっても埒が明かん。有名な曲歌え!ほら、これとか。」
それからというもの死神はあれを歌え、これを歌え、あれをしろ、これをしろと言うようになった。
そして、何も考えずに従えと言われた麗は文句を言いながらも従った。
これからどうなっていくのか。
暗闇に笑い声が響く。
「ヒヒヒヒヒ!ねぇ知ってる?あの出来損ない、仕事を貰ったんですって」
暗闇に男の笑い声が響く。
「ヒヒヒヒヒ!知ってるぜ!でも、また失敗するに決まってる!」
暗闇に女の笑い声が響く。
「ヒヒヒヒヒ!今回失敗したらクビでしょう?愉快だわ!」
暗闇に笑い声が響く。