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「あ」
締め切ったカーテンから、朝の陽射しが漏れている。
自分はどうしようもない人間だとは思っているけど、何故か生活リズムだけはまともだ。
朝7時ちょっきりに目が覚めて早々、最悪な事を思い出した。
「うぅん……どうしたの?」
ガバッと起きたせいで、隣で寝ていた服も纏わない少女、アズサがむにゃむにゃと寝ぼけまなこで俺を見る。
半目と言うか、開いていない目で俺をみるその美貌にドキッとしてしまう。
「今月家賃払えないわ」
「ふふ、大丈夫。私が払ったおいたわ」
「本当に?ありがと〜う!愛してるぜ!」
チュッと頬にキスをして、天使の様な施しを受ける。
感激して思わず彼女の柔らかい体を抱きしめる。
アズサは顔を赤らめてボソボソと「やっちゃう?朝からやっちゃう?」と男、桜真の背中に手を伸ばし抱きしめ、ベッドに倒れるように引き込んだ。
桜真も拒むことなく朝から勤しもうとした時、着信が来てスマホが鳴る。
それだけなら無視しても別にいいのだが、着信音が良くない。良くない相手からの電話だ。