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木曜日夜明け

ちょっと過激な表現が多いのでR15です。

少しですが。

その夜、公園を通りかかると車道の向こう側からあの女が現れた。


「あれ?今日もお仕事帰り?随分と遅かったんだね?」


・・・煩い。

なんなのこのチビ。


しかも何、その格好。

趣味の悪い全身ピンクの塊が馴れ馴れしく私に話しかけて来るんじゃないわよ。


「どうしたの?私の事忘れちゃった?可笑しいなぁ、ほら、この先のコンビニで四日前くらいに会ったよね?」


「え、あ、ああ!はい。覚えてます。あの、貴女は今からコンビニに?」


「ううん?今から帰る所だよ?貴女も家に帰るの?」


必要以上に高い声も首を小さく傾げる仕草も、いちいち勘に触る。本当に目障りだわ。コイツも今すぐ消してしまいたいけれど・・・。


「はい。あ、そういえば・・・この前夜道で男の人に声をかけられたって言ってましたよね?その後大丈夫でしたか?」


こいつ、人の話ちゃんと聞いてるの?

何マジマジと人の顔見てんのよ気味が悪い。

お前なんかが松井君に話しかけられたなんて信じられない。


「ああ!連絡先交換してLINEのやり取りを何度かしたけど、最近は連絡ないね?どうかしたのかな?」


は?コイツ今LINEしてるとか言った?

松井君と?この女が?


「え?だ、大丈夫なんですか?知らない人だったんですよね?」


「そうだね?まぁでも、もう知り合ったから知り合いだし、LINEも交換したから友達かな?お付き合いするかは、正直まだなんとも〜?」


何言ってんの?

あんたみたいな頭の悪い女が松井君と付き合えるわけないだろうが。きっと夜道での話も間違いに違いない。


松井君が私以外の女に声をかけるなんて・・・。

もしかして、この女が全部?


「おっといけない!私もう帰らないと。じゃ、貴女も気を付けてね?おやすみ〜」


「え、あ、はい。・・・お休みなさい」


どうする?追いかける?

でも、もう直ぐ夜が明ける。


この辺りは朝早くから活動する人間が意外と多い。

それに、深追いは危険。


この前だって偶々上手くいったけど、死体がいつ見つかるかはわからないし・・・。呼びかけて反応がなかったから、恐らく頭を強く打って動けなかった筈。ただスマホを奪えなかったのが痛い。でも、怖くてあそこには近寄れない。


そんな事を思案していたら、反対側のコンビニからガシャンと不快な音がした。


慌ててそちらを見ると何処かで見た覚えのある顔。

恐らくコンビニのアルバイトだ。


なんだ、驚かせないでよ。

・・・初めてここに来た時も思ったけどあの店員もなんだか気持ち悪かった。


全てを見透かされている様な、あの瞳。


いや、あんなアルバイトなんて今はどうでもいい。

それより私は早く確かめなければ・・・。


警察が、私の所に辿りつくその前に。

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― 新着の感想 ―
[一言] ワクワクする~~~。 十分ミステリーになってるじゃないですかッ! 良い意味で先が読めないです! 作品全体に漂う、独特の空気感がイイですねッ!
[良い点] スリルとサスペンス。視点が違ってまた謎が深まっていくよう。 面白いです。ここからどんな展開になるのかと、ドキドキしながら読んでいます(;゜∀゜)
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