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黒鉄の風(くろがねのかぜ)  作者: godhand-ghost
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第4話 ポケットの中

黒鉄の(くろがねのかぜ)

にぼし と おれ と バイク


仔猫“にぼし”

不器用な昭和の男“おれ”

癖の強いバイク“黒鉄”


1匹と1人と1台の共同生活



第4話 ポケットの中


おれは裁縫が苦手だ。


針と糸で縫うのも嫌いだが、針に糸を通すのはもっと嫌いだ。


昨日、百円ショップで買ってきた。


エプロンと布地と裁縫セット。


おれには似合わないって?


当たり前だ!


こんな事が似合う男になりたくはない。


でも、必要だと思うんだ。


ひと針、ひと針、想いを込めて縫っているよ。


指に針を刺す回数よりも、布地を縫う回数の方が多くなってきた。


上手じゃないか。


だんだんと形になってきたぞ。


にぼしが気に入ってくれればいいな。


おれが何をしている時でも、にぼしはおれにまとわりつく。


時々、踏んでしまいそうになる。


特に、眠たい時にまとわりつくようだ。


おれは、今、エプロンに大きなポケットを縫い付けている。


にぼしの寝床を作っているんだ。


ポケットの底は広がるようにした。


見栄えは良くないが、にぼしが安心して寝られればいい。


できた。


エプロンを首から下げてみる。


はぁ....やっぱり似合いそうにない。


でも、にぼしのためだ。

しょうがないさ。


おい!

にぼし!

ちょっとこい!


どこにいるのか?


テテテテテと走ってきたにぼしを摘んでみる。


そして、ポケットに入れる。


にぼしは、ポケットの中をぐるぐる回って、上を見た。


ここで寝ていいぞ。


にぼしは、もう一度ぐるぐる回って、落ち着くところを探している。


嫌がる素振りはない。


すぐに丸くなって動かなくなった。


おれは、自分の時間を手に入れた。


良かった。


これで自由に動けるぞ。


まずは絆創膏を指先に貼ってから、黒鉄のメンテナンスをしようか。

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