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プロローグ 大賢者フォルト

 今からおよそ700年前。

 魔法と呼ばれた異能が、魔術と呼ばれる技術によって淘汰されつつあった時代。

 そんな激動の時代の中に、一人の伝説的魔術師がいた。


 名をフォルト。

 フォルト・L・ミシティアという。


 地水火風の魔術を操る彼は、世界各地を巡り、様々な奇跡を起こした。

 ある時は、疫病にむしばまれ滅びかけていた町の住民を、一人残らず救って見せた。

 ある時は、一早く災害を予言し、避難を促したことによって被害者を一人も出すことがなかった。

 ある時は、長年続いた悪政に終止符を打ち、多くの住民を救って見せた。

 そしてまたある時は、枯れ果てた大地に恵みをもたらし、大勢の命を救ったという。

 彼は他にも数多くの、人々に救いをもたらす奇跡を起こして見せたが、数えだしたらきりがない。


 瞬く間にその名を広めていった彼はやがて『大賢者』と呼ばれ、世界中の人々から讃えられた。


 強大な敵を打倒したわけでも、世界を脅かす魔王を倒したわけでもないが、彼は世界を救った英雄の一人として、歴史に名を残すこととなったのだ。


 しかし彼の出生、そして大賢者として讃えられたその後を知る者は、だれ一人としていないとされている。

 妻とされる人物は何人か現れたものの、彼女らの証言は信憑性に欠けるものばかりであり、700年が経つ今も、その真実は明かされないままである。


 が……ただ一つだけ、人々の間で今も語られる逸話がある。


 フォルトは数々の奇跡を残した末、その姿を消した。

 もしかしたら彼は、もっと数多くの奇跡を成すために、表舞台から姿を消したのではないかと。

 もしかしたら、彼はそう――『神』になったのではないかと。

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