表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

緊急入院&手術 ーオペ室へ送ってからのよつ葉ー

 お姉ちゃんをオペ室に送って、病室に戻ってお姉ちゃんが戻って来るのを待つ。


 病室に戻ってくるのが予定で2時間後。お姉ちゃん、頑張って! ん? 頑張るのは医師だね。


 暇だし、お姉ちゃん怖いし過去問題集しようかな。問題集に取りかかり1ページ目を終える頃、看護助手さんと看護師さんがベッド準備をしに来てくれた。


「あらっ、お勉強中? わわっ、看護師国家試験過去問題集って、おぉ、懐かしい!!」


 看護師さん、問題集をペラペラして盛り上がっています。


「今、受けろって言われたら落ちる自信ある」


 って、 えぇーーーー!!

 バリバリ現役看護師さんなのに、未来の先輩かもしれないのに! マジかぁ!


 看護師8年目と教えてくださいました。


「学生の時が一番キラキラしてたかなぁ」

「えっ? そうなんですか?」

「実習とか大変だったけど夢だった看護師のような雰囲気が背中を後押ししてくれてたからね」

「あっ、わかります。雰囲気味わいました」

「あらら、満足しちゃった?」

「ナースコールも取らせていただけたので」

「良い指導看護師に当たったのね」

「退院が決まっていた子で、かわいいナースコールでした」

「どんな?」

「よつ葉ちゃん、シュークリーム食べてもいい? でしたよ」

「あはは……それはかわいいコールだったね。4月になって、真っ白なナース服を身につけて笑顔で入職しておいで。そしてその希望に満ち溢れた笑顔が失敗や挫折に歪むのは、新人には当たり前なこと。そんなこと気にしないで指導看護師について学び病棟全体で応援していくから、試験に合格することだけ考えて後は心配しないで看護の世界へ進んでおいで」

「はい」



 お姉ちゃんの担当をしてくださっている看護師さんと盛り上がってお話をさせていただきました。お姉ちゃんを待つ、よつ葉に寄り添ってもらっていたのかな? なんて思います。


 予定の2時間を過ぎても、戻ってくる気配はなくただひたすら待つ。術式も知っていて医療従事者に片足を乗せている、よつ葉ですので予定通りにいかないことも理解しているのですが、緊張したり心配は感じました。なので、よつ葉が看護師側になれた時には、こうしたことにも気を配れる看護師になりたいと思いました。



 看護助手さんお一人が病室にきました。よつ葉に


「お姉さんもうすぐ戻られますよ」


 そう言って、準備されたベッドを手術室に運ぶためにベッドを取りにみえました。


「えっ? 一人で運ばれるのですか?」

「空ベッドだからね」

「わっ、ご苦労様です」


 入り口入って直ぐ右側だったので、ベッドを出すのに苦労していたので、補助に入りました。


「あっ、ありがとうございます」

「いえ、大丈夫です」

「扱い慣れてますか?」

「看護学生です」

「お仲間なんだね。専門? 大学?」

「☆☆大学の4年です」

「卒業じゃない。しかも☆☆大学?! 内定は?」

「ここの病院にいただいています」

「4月、待ってるね」

「国家試験頑張ります」

「あらっ、やだやだ怒られちゃう。行かなくちゃ。またお喋りしましょうね」



 そう言って、大きなベッドを一人で安定した運びで廊下を進んでいらっしゃいました。


 予定時間を1時間以上過ぎていました。でも、病室に戻るまでにはもうしばらくかかると思っていました。時計は確認していなかったのですが、時間はかかっていたと思います。


 医師3名でベッドを押して、そのベッドを囲むように研修医? 医学生? 8名ほどが着いてきていました。お姉ちゃんの看護師さんと、補助看護師さんなど大人数でした。お姉ちゃんの診察?ベッドセットなどが終わり、母は主治医に手術のお話で呼ばれて面談室に行きました。よつ葉は姉の傍に行きました。


「お姉ちゃん、お帰り」

「うん」

「痛い? 苦しい?」

「息苦しい」


 生命維持装置のサチュレーションを確認するとSpO2の数値が90を切ろうとしていました。直ぐに看護師さんに


「お姉ちゃんが息苦しいそうです。サチュレーションが90切ろうとしています」


 そう伝えると、酸素を確認していました。酸素の設定が低すぎていたようで設定をあげてくれました。


「ありがとう。頼もしいわね」

「たまたまです」

「下手な新人より使えそうね」

「いやいや、まだ素人です」

「いやいや素人はサチュレーションとか言わないから。あはは」


 術後の姉の横で、このような会話がされていました。


 1時間ほど、姉に付き添い生命維持装置も安定した波形を示していたし、姉の手にナースコールを持たせて「何かあったら押してね。また明日くるね」と声をかけて帰ることにしました。



 お姉ちゃん、手術お疲れ様でした。


明日は最終話【緊急入院&術後1日目】をお届けします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ