緊急入院&手術 ーオペ室入室までー
― 救急外来の翌日のとある月曜日 ―
いつもの紺野班は、午後から。
午前中、家に居たときに姉から連絡が入る。
「よつ葉、今から入院になった。手術も今日するんだって」
「要るもの持っていくよ」
「ありがとう頼むね。要るもの連絡しなくても、よつ葉ならわかるよね」
「えっ? 教えてよ」
「そんなんで、どうするの?国家試験落ちるよ」
「いやいや、入院荷物の確認なんて国家試験に出ないからね」
そんな軽い話ができる姉って、余裕あるなぁ。そんなことを思い浮かんでいた。病院へ行くため紺野君に勉強会の欠席連絡を入れる。これで紺野君からの鬼メール回避。(無断欠席をすると連絡とれるまで鬼のように連絡が入るのです)
実家に寄り姉のパジャマやタオル、バスタオル、洗面用具、箸やスプーンセット、コップ等とりあえずこんなところだろうか?
携帯のメールの着信音が鳴る。確認すると紺野班メンバーから
紺野「お前は落ち着けよ」
前原「私やりますとか言うなよ」
柊「なんかあれば連絡な!」
小野「俺が担当する?」
美羽「しっかりしなさいよ!」
美佳「看護師の邪魔しないんだよ」
ゆみ「ちゃんと食事しなさいよ」
小野君、ミスしたらお姉ちゃん紺野君並みに怖いよ! しかも待合室で過去問やらされるよ!それでも担当してくれるの?
荷物をまとめると、姉から連絡が入る。病院に着いたらここに来てと病棟と部屋番号がメールされてきた。病院に着き言われた病棟病室に行く。言われて着いた病室は、4人部屋で入院はお姉ちゃんだけでした。大きな個室のようです。
頼まれていた荷物を片付け、お姉ちゃんと向き合う。
「よつ葉ありがとう」
「うん。手術は?」
「緊急扱いだから何時になるのかわからないって」
「そっかぁ」
「よつ葉、問題集持参してきた?」
「うん。お姉ちゃん持ってきなさいって言ってたもん」
「手術待ってる時間、有効に活用しなさいよ!」
「わかったよぉ」
この間に看護師さんが手術のための準備を進める。手術の時のために必要なものを一緒に確認した。足りないものは下の売店で購入して準備は整いました。
看護師さんが、ちょこちょこやって来ました。術前診断? 術前診察?などなど。
麻酔科医の問診もありました。
「アレルギーはありますか?」
「グラグラな歯は、ありますか?」
から始まり、色々細かく問診されていました。うんうん、実習の時も、見たことある!と密かに思ってしまいました。
そしてお姉ちゃんとの時間を過ごす。オペ時間は決まっていない。緊急扱いなので手術室と医師、麻酔医、オペナースの準備でき次第。
しばらくして看護師さんが、オペ室から連絡がありました。15時からオペとなりました。
看護師さんが車椅子を持って迎えに来ました。オペ室前まで移動する。オペ室の前で看護師さんに
「病室でお待ちくださいね」
と言われ、お姉ちゃんに
「頑張ってね」
そう伝えるとお姉ちゃんは
「国家試験の過去問題集、ちゃんとしなさいよ。合格ラインじゃなかったら、ノルマ増やすからね」
お姉ちゃん、オペ前に可愛い妹にそんなこと言うの? 看護師さんが、よつ葉に
「塩対応ですね」
って笑って、お姉ちゃんの車椅子を押してオペ室の中へ入っていきました。
お姉ちゃん、頑張って!
病室で待ってるからね、お姉ちゃん!
明日は第3話【緊急入院&手術 ーオペ室へ送ってからのよつ葉ー】をお届けします。