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7 ノウン村の危機

遅くなりましたm(_ _)m

 ここは、稀島の東の果てにあるノウン村と言う村。


 ここは、畑作が主流で人口三百人弱で中には、禍人まがびと畏怖人いふびと、ドワーフ等も住んでいる。

 しかし、この村ではお互いの強さを認め合い、協力しながら暮らして来たため人族と異族との間には差別意識はなく、むしろ戦友というような意識がある珍しい村だ。この村を共に守ってきたという誇りがあるのだ。例えば、魔獣【翔び鹿とびじか】はこの島の中央では、草食でおとなしい事で比較的狙いやすい魔獣として有名ですが、このノウン村に隣接する森では空を駆け攻撃してくる者や縄張りに侵入した者には問答無用で立派な角や、風魔法で攻撃してくるのだ。

 だからこそ、男女共に一人一軍隊なみの戦闘力を兼ね備えている。弱い奴は生き残れないと言うことだ。



▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


‥‥‥ガタガタ!


 突然の衝撃がノウン村に襲いかかった。


 普段、こんなことでは怯えない馬たちがいきなり慌て出し、村の人間も慌てて外に出た。

 そして、この村でも随一の魔力をもつナームがまるで泡を食ったかのように荷物を纏め出したのだ。 その様子を隣に住んでいた俺は不思議で思わず聞いていた。


「ナーム、どうしたんだ? なんでそんなに慌ててるんだ? どうせ、あの震動はいつもの魔獣が暴れている音だろう? 」


 すると、こちらを向いたナームはすごい形相をして叫んだ。


「違う、そんなことならここまで慌てるか! あれば森の魔獣達の移動音だ! あのの音の中心に俺なんかが到底持ちえない魔力数を叩き出している者がいる、あれは駄目だ。こんなに近くにいたらこ消し飛ぶぞ! 」


そういいながらリュックを肩にかけ、こちらを一別すると


「早くお前らも逃げないとヤバい。そう伝えろ! 」


 魔法を使い、目の前から消えた。


「おいおい、あいつがあんなに慌てて行くなんて本当にどうしたんだ? 」


 この村が消え去るなんてあるのか? だったら村長に報告しなけりゃ行けないじゃねえのか?


 脳筋の自覚がある俺は、やっと慌てて村長の所へ行った。

 村の中心にある馬鹿でかい村長の家は、いまやめったにお目にかかれない大者達で溢れかえっていた。


 恐る恐る、その方達の間を縫って扉までたどり着いた。しかし、周りの刺すような視線の中で動けるはずもなく、扉の前で固まっていると内側から開いた。


 出てきたのは、村長と森の王と呼ばれる人物だった。そして、こちらを一別すると興味が失せたかのように真顔になり空に向かって飛んでいった。



 ここで、俺が落ち着く為に村長と森の王について話す。


 まず、村長は畏怖人いふびとと呼ばれる種族だ。しかし、人柄が良くて顔も良い、そして他の村では見たことのない道具や食べ物を作ったり、相手が誰であろうと丁寧な物腰を崩さない。まるで、聖人君子のような方だ。最初は、怖かったが接している内に怖くなくなった。でも、魔物を相手にしているときは、味方で良かったと思う。


 ちなみに、村長はこの村で一番強い奴がなる決まりになっている。なぜなら、周りを避難させても、唯一人で村を守らなくてはいけないのだ。魔法で村に縛られるのが、村長という職種なのだ。


 しかも、今の村長は有り余る魔力を使って、村に防御魔法をかけてくれている。そんな方だからこそ、皆の信用を勝ち得ているのだ。


 次に、森の王は龍神と呼ばれる種族だ。その姿は、山のような体躯に銀色に輝く鱗に覆われ、大きな翼があると言われている。人族は魔物と一括りにしているらしいが、それは間違いらしい。龍神族も神に創られた、誇りある種族だそうだ。

 通常は朱島の奥深くに住んでいるのだが、村長の昔馴染みらしく、ちょくちょく顔を出す。ちなみに、龍神族は位がある程度高いと人族によく似た姿をとるようになる。それは、龍神族に雌が産まれにくいらしく他の種族と交わる事が出来るようにらしい。


 もちろん、森の王は人型に成れるのだがあまり成りたく無いらしい、しかし、村長と会うときだけは妥協して人型に成ってくれている。



 ふー、落ち着いてきた。よし!


 目の前で困惑している村長を前に口を開いた。


「ナームが逃げました。何でも凄い魔力を感じたらしいです。この振動は魔物が逃げている音だとか」


 そう報告したとたん、肩を掴まれた。


「えっ? 」


 そのまま村長宅へ押し込まれた。そう言えばさっきまで居た方々が居なくなっている?


 村長宅のどでかい会議用のテーブルに座らされた。なぜに?


「はぁ、やっぱり逃げましたか、ナーム君。しかし、それをあなたが報告にきたのは、って、隣同士でしたね。いやいや、申し訳ない。突然で混乱していますよね。お茶をどうぞ」


 そう言った途端に、お茶が目の前に出て来た。


「あの、説明をしていただけませんか? 」


 すると、疲れた様子の村長は重いため息をして話し出した。


「この村は今、存続の危機に晒されています。あの衝撃がある三日前から異常な魔力は感じていました。しかし、動きが全くなかったから放置していたんだ。もちろん直ぐに調査団を結成するつもりだったんだけど、色々たて込んでてね‥‥‥ 」


 村長の目線を追っていくと崩れそうなほど積まれた紙の束があった。


「と、いうわけで君には避難準備をするようにだけ呼びかけてくれないかい? 幸い、魔力の元は魔獣にしか攻撃していないし、敵対する必要が無いかもしれないけど、念のためにね」


 そう言っている村長だが、最悪の可能性の方が高いと思っているからこその避難準備なのだろう。


「分かりました。全員に知らせます。村長も頑張って下さい」


 その声を待っていたかのように、気がつけば居なくなっていた強豪の方々が入ってきた。


 それを見届けた俺は、村長宅から出た。


 透けるような青空を眺め、果てしない不安を感じながら避難準備をするように呼びかけるために走り出した。


 



 お気づきかもしれませんが、魔力元は‥‥‥(^^;)


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