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さよならの言葉

作者: 幸多

そうね、どこからお話しようかしら。あなたはなにから聞きたいのかしら?そうねぇ、だったら彼と出会いそして過ごした日々、そして彼とのさよならの言葉についてお話しましょうか


彼との出会いは、そうねぇまだ私が高校入学したばかりだったわ。私ったら人見知りだから友達ができなかったの。一日中携帯を握り締めて掲示板で会話してたりしてたわ

その掲示板で彼と出会ったの。

彼は私より少し年上で素敵な人だったわ。強気で少し女々しいところもあったけれどそこも大好きだった。私より料理が上手なのよ?笑っちゃうわよね

彼って褒められることに慣れてないから褒めるとすっごく恥ずかしがるの。お前馬鹿じゃねーのとか言って顔を真っ赤にして言うのよ?そんな顔で言われてもって感じよね

あと彼眠いときってすごい子供っぽくなるのそれがまた可愛いでしょう?

彼と過ごした日々は私にとって毎日が天国だったわ。彼の声を聞くと舞い上がっちゃうの嫌なことも泣きそうなときも彼の声を聞いたらなぜか心が明るくなってがんばろうって気持ちにしてくれた

私、すごく彼のことが好きだったね

彼が笑うと私もすごく嬉しくって彼が落ち込むとすごく悲しくって彼の力になりたいってずっと思ってた

はやく大人になって彼と一緒にいたい、彼の隣でいたいってずっと思ってた。思えば私って当時は16歳でまだまだ子供だったのよね。もう彼しかいないって思ってたわ。でも、彼は私を選んではくれなかった

そりゃそうよね私ってば高校生だしいくらバイトしてるからってお金も少ないし、社会人の女性の方がいいに決まってるわ

彼を私から解放しなくちゃいけない、彼の人生に私はいてはいけないんだって思った。私は彼の重荷になりたくはなかったし彼を苦しめたくなかった。だから言ったの



「もう別れよう」



彼は泣きそうな顔で、声で私に言ったわ



「なっちゃん、ごめんね」



とても悲しかった。その涙をふき取って抱きしめたかった。でもそれは私の役目じゃない、私がしていいことじゃないの




「大好きだったよ」




「うん、俺もなっちゃんのこと愛してた」




だから、さようなら





メアドも電話番号も消したわ。今はどこでなにをしてるかはわからないけど、彼が幸せだということを願ってる

だって私が好きだった人だもの。幸せになってもらわなきゃ後味悪いじゃない?

あ、ちょっと長話しすぎちゃったようね。私実は待ち合わせしてるの。私ね、来年結婚するの

あら、ありがとう。嬉しいわ

私ね、とっても幸せよ


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