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始まりの狼煙
世の中には、きっかけという物が存在する。
きっかけは人生を楽しい方向に進めてくれたり、悪い方向に堕ちてしまったりしてしまう。
そしてそれは人によって変わる。
特殊な蜘蛛に噛まれて超人的な力を手に入れたり。
急にベルトを渡されて仮面なライダーに変身したり。
両親を殺されて街を救う闇の騎士になったり。
ネコ型ロボットが未来から来て日常がより騒がしくなったり。
自分が作った兵器が悪の手によって使われていたことを知って、人々を守る鉄の鎧を開発したり。
きっかけは人の数だけ存在して、その内容は千差万別。
きっかけなんて、いつ起こるか、どこで起こるか、それが良い面なのか悪い面なのか、そんなの誰にもわからない。
わかるとしたら神くらいだろうか。
「はい?」
彼────士道春喜のきっかけと呼べる転換点は、まさしく今日と呼べる。
だってそうだろう。
目の前に突如現れた黒い穴から銀髪の少女が飛び出してくるなど、人生を10回やり直しても出会えるかわからない。
「どゆこと?」
ここから彼の物語が始まった。




