白黒ハッキリつけましょう 3
「ちなみに、勇者様はなんて言ってついてきてたんですか?」
『ん?なんか、奢るからーとか、絶対後悔させないーとか言ってたような……あーもう昔過ぎて覚えておらん。でも、美味しい食事処をいろいろ教えてもらったことは覚えておるぞ。教えてもらう条件が勇者と一緒に行くことだったから、そのときは我慢してついていったな』
おやおや?これはもしかしなくても《《アレ》》なのでは?
「なるほど。それで?聖女様はなんと?」
『なに?なんでそんな事気にするんだ?』
「いいからいいから」
『…まあいいか。あやつは絶対二人きりにはさせないーとか言っておったぞ。二人きりも何も、周りにあんなに人がいるのだから二人きりになぞならんのに、変なやつだったな』
「ふーん……」
これは確定ですね。
とても面白い三角関係が出来上がっているようです。
それも、当事者であるルナは何も気づいていない様子。
これには勇者様もさぞ苦労されたことでしょう。
そして聖女様も。
まあ、性格はともかく見た目だけは良いですからねー。
私が言うのもなんですが。
『なんだ?ニヤニヤしおって。何がおかしい』
「いえ、別に?ただ、ルナも青春してたんだなぁ、と思っただけですよ」
『?よくわからんが、それはいいことなのか?』
「もちろん、いいことですよ」
あんな殺伐とした時代で、それもお互いの勢力のトップ同士が実は…なんて、夢がある話です。
私は、そういうの嫌いじゃないですよ。
今はもう、勇者様は寿命を迎えられているでしょうし、会うことは出来ないのでしょうが…
しかも、最期はその勇者様と約束をして犠牲になったという話です。
これには魔王であるルナだけでなく、勇者様も本当に辛い苦渋の決断だったでしょう。
それを想うだけで、少し切ない気持ちになってしまいますね__
コンコン。
そのとき、急に部屋の入口からノック音が聞こえた。




