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私、公爵令嬢になりました  6

「というか、ここでなにしてたんだ?少し争ったような形跡があるが…」


「いえ、たまたま争っている音が聞こえてここに来てみたら、御三方がここで倒れていらしたので、先生を呼ぼうかと思案していたところです」



とりあえず、誤魔化しておきましょうか。


一応私は公爵令嬢な訳ですし。

貴族の男三人を殴り倒したとあっては問題になりかねません。


少なからず、バレれば何か面倒なことになりそうなので、ここは予定通り大人しくしておきます。



え?魔王のくせに人間関係を気にするのかって?


当たり前じゃないですか、何を言ってるんですか。


というか、()魔王です。


生まれたときから公爵令嬢として生きていますし、そもそも前世の記憶なんてほとんどありません。


うっすら、こんなことがあったような?って程度です。


なので、今の私は公爵令嬢として慎ましやかに生きていこうと思いますので、騒ぎを起こしてはいけないのです。


お分かりになりましたか?



「いやいや、だいぶ前から見ていたが、メアリー嬢はそこの三人と一緒にここに来てなかったか?」


「……失礼ですがレオン殿下。いつ頃からあの茂みに?」


「ん?俺か?お前たちが来たときにはすでにいたぞ」



その言葉に、私は身体が硬直した。


つまりこの性わ……偉大な第二王子殿下は始めから全て見て知った上であの質問をしていたのだ。



「…お言葉を返すようで失礼かと存じますが、レオン殿下。私は彼らに辱めを受けるところだったのです。なので、いわばこれは正当防衛、というやつです」


「正当防衛?にしてはちょっとやり過ぎじゃないか?」


「いえ、正当防衛です」


「……そうか」


「そうです」


「…………」



なんだか呆れた目で見られている気がするが、納得して頂けたようなので良しとする。


今のうちに離脱することにしよう。



「それでは殿下。私は先生を呼んでこなければいけないのでこれで失礼します」


「ちょっと待て」


「…何か御用でしょうか?」


「その肩に背負ってる二人は下ろしたほうがいいんじゃないか?」



………そういえば、ずっと担いだままだった。



「それでは、改めて失礼します」



担いだ二人をゆっくりと下ろし、綺麗にお辞儀するとその場を立ち去ろうとする。



「ちょっと待て」


「…まだ何か御用でしょうか?」


「お前はメアリー・フェリシテ公爵令嬢で間違いないよな?」


「お戯れを。私は正真正銘、メアリー・フェリシテです」


「影武者などではない、ということだな」


「勿論です」



私の言葉に、レオン殿下は右手を顎の下に持っていって考え込む。



何故、そのようなことを聞いてくるのだろう?


…なにか、嫌な予感がする。



「…メアリー嬢」


「はい」


「俺の、《《婚約者》》にならないか?」


「はい…………って、ええええぇぇぇぇ!!!」

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