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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
幕間 5

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ヴィサス・カサンドラは心酔する

ごきげんよう。


私の名前はヴィサス・カサンドラ。


シャーユ王国の四大公爵家の一つ、カサンドラ家の長女。


ほぼ全属性の魔法を扱えるという才能を持つ私は、魔法のカサンドラ家の誇りであるという自負があります。



その分期待も大きいので、日々自己研鑽は欠かさない私ですが、今とても幸せなことがありました。



「メア……フフッ、いい響きですね♪」



あのメアリー様と、愛称で呼び合えるようになりました!


しかも、メアリー様は愛称で呼ばれたことが無いと言っていました。


つまり、私がメアリー様の初めてを奪ったと言っても過言ではない訳です!



「おっと……淑女たるもの、興奮し過ぎて我を忘れるなど、いけないことです」



え?さっきは思いっきり興奮して気持ち悪い顔になっていましたって?


…………忘れてください、今すぐに。




ここはウィーリング学園の女子寮にある私室。


ウィーリング学園では、入学する際全員が必ず寮に入る仕組みになっている。


一人一人に個室が与えられ、そこにはお風呂やトイレだけでなく、メイド専用の部屋が隣接されていて、お付きのメイドと一緒に寮に入るのが一般的となっている。



もちろん、防音対策もバッチリ。



さらにお付きのメイドはお使いで外に出ているので、多少音を出そうとも誰にも聞こえないので安心という訳だ。



「この調子でもっともっと仲良くなって、いつかは……エヘヘ…」



妄想が捗ります。



「メアリー・フェリシテ様……お慕いしております……」



思わずこぼれた呟きが、部屋の中に消えていく。



そう、私ヴィサス・カサンドラは、メアリー・フェリシテ様のことを()()()お慕いしております。


きっかけは、ゴブリンたちと戦ったあの日。


自分の命を捨ててまで私を守ってくれたあのとき。


メアリー様が私の身代わりに切られ、私が泣きながらメアリー様の名前を呼んでいたとき、貴方は自分が切られて苦しいにも関わらず、自分よりも私の心配をしてくださいました。


話すのも辛いはずなのに、そんな中、私を唯一守りたい女の子だと、魅力的な女の子だと言ってくださいました。


そして、そんなメアリー様に何もできず泣くことしかできなかった私に、メアリー様はお礼を言ってくださいました。




こんなことをされて惚れない女の子が、果たしているのでしょうか?




「さて、こうしている場合ではありません。メアが他の人に取られる前に、行動を起こさなくては」



幸い、メアリー様はまだ誰のことを好きでもない様子。


今ならまだ、私にもチャンスはあります。


女同士という不利はございますが、そこは愛の力で乗り越えてみせます!



「メア…本気で行くから覚悟しててくださいね?」



誰もいない部屋で一人呟く。



絶対に誰にも渡しませんよ。

メアリー様は…メアは私の運命の人なんですから。

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