新たなる求婚者? 6
「つまりですね……」
「つまり…?」
「それは……」
「それは?」
「ひ……」
「ひ?」
「み……」
「み?」
「つ♪」
「…………」
ヴィサス様は、左手の人差し指を立て唇に当てると、左目を閉じてウインクする。
仕草は可愛いが……なんだろう。
とりあえず……
「手袋はどこだったかな?」
「あわわわわっ!手袋は止めてください…っ!」
私が、手袋を探すためにスカートのポケットを探っていたら、ヴィサス様が慌てて止めにきた。
「離してください。これでは決闘を申し込めないではありませんか」
「だからですよ!からかったのは謝りますから!」
むぅ、そこまで言うなら仕方ありませんね。
今回は決闘は止めておきますか。
「ふぅ……危ういところでした……」
汗を拭う仕草をするヴィサス様。
「そんなことより、どういうことなんですか?」
「はぁ、はぁ…え?なんです?」
「だから、憧れだったとか、そういうやつのことです」
「ああ、それは言葉通りの意味ですよ?レオン殿下への気持ちはただの憧れだったことに気づきました、と」
「…つまり?」
「今は絶対に結ばれたいとか、そこまでの熱意はもうないです、はい」
え、では今までレオン殿下とヴィサス様をくっつけようとしてきた苦労は…?
……いや、ちょっと待ってください…
ヴィサス様とレオン殿下にくっついてもらって、私は求婚を回避する作戦は……
バッ、とヴィサス様の方を見る。
「…………」
ヴィサス様は、ゆっくりと私から視線をそらした。
「え、まさか私に押し付けようと__」
「冗談ですよ。そんな怖い顔しないでください」
ヴィサス様が少し怯えた表情している。
おっと、思わず無表情でヴィサス様を見てしまいました。
頭をふるふると左右に振って、表情をもとに戻す。
「ふぅ……急に怖い顔をなさるから、ちょっと驚いてしまいました…」
「それは申し訳ありません。ちょっと気持ちがこもりすぎてしまいました」
だって、裏切られたと思ったんですもの。
仕方ないですよね?




