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レオン殿下はひた隠す 2
「はぁ…おそらく、真実をありのまま公開すると都合が悪い奴らがいたのだろう。今の魔族の待遇を見ても明らかだ」
「当時の権力者たちの仕業でしょうが…嘘の歴史で国民を騙して利益を得たのでしょうね…」
「…ん?ちょっと待てよ…権力者と言えば一番は王だよな?」
「え?確かにそうですが……え、ま、まさか……」
「そのまさかだ…陛下は本当の歴史を知っている可能性がある」
もしそれが本当なら、陛下はわざと真実を闇に葬ったままにしている事になる。
「これは確認しなければ、メアリー嬢とルナが危険な目に遭う可能性もある」
「そうですね…そして、そこから人間たちがしたことを知ってしまったら…」
「我々の国は滅ぶ…最悪、人類が滅亡するかもな……」
そうだ。
絶対にバレてはいけない。
我々人類がしたことを考えれば仕方ないことかもしれないが、それでも罪のない人たちまで死なす訳にはいかない。
今の我々の力だけでは、あの山を消し飛ばした圧倒的な力には敵わないのだから。
だから、我々は人類存続のために真実を隠す。
人間が魔族を奴隷にしていることを。




