私、公爵令嬢になりました 4
「ここでは実力が全て。お前みたいな属性魔法も使えない落ちこぼれはこの学園に居場所なんてない」
「そうそう。だから俺たちが代わりに拾ってやろうって訳」
「どう?優しいでしょ、俺たち」
そう言って、三人の内の一人が気持ち悪い目をしたまま私に向かって手を伸ばして来た。
パシッ!
それを私は手で払いのける。
「…なんだ?お前抵抗する気か?」
ただの気持ち悪い視線に少し怒りの色が混じる。
他の2人も困惑の表情を浮かべている。
「その下品な視線、やめてくださらない?気持ち悪すぎて吐き気がしそうです」
嘘である。
こいつらの視線になんて何の気持ちも沸かない。
ただ、なんとなく見られてるな、と思うだけである。
ただ、それで私を好き勝手にできると思っていることがなんとなくムカついたので、少し言い返したくなっただけだ。
しかし、それはこの男たちにはたいそう効いたらしく…
「こいつ、無色のくせに生意気だな!」
「一度、痛い目に合わないとわからないらしいな…!」
「壊れるくらい輪姦してやる!」
怒り一色に染まった男たちは、一斉に私に襲いかかってきた。
そのうちの一人を私は、虫でも追い払うように頬に平手打ちをかました。
「ぐへっ!!」
「……は?」
「……なんだ?」
平手打ちされた男は、何度も何度も地面を転がりながら最終的に仰向けに倒れ、そのまま気絶した。
顔には、平手打ちだけでは到底できなそうな凹みができており、実に醜い事になっている。
それを見た残りの男たちは、いったい何が起きたかわからないという表情で吹っ飛んでいった男の方を見ていた。
「お忘れですか?ミリタリー様。それにモーブ様。私の魔力は、属性が無くとも強さだけはありますので、ただの身体強化魔法でもこのようになります」
今、私の身体は高密度の魔力が流れ、その表面を覆っている。
そうすることで身体を魔力で補強し、飛躍的に身体能力を上昇させることができるのだ。
もちろん、流す魔力が多ければ多いほど強化される。
こういう魔力を属性に変換せずにそのまま使う魔法のことを【無属性魔法】といい、この私でも使える唯一の魔法だ。
ちなみに、「は?」と言ったほうがエーン侯爵家嫡男のミリタリー・エーン様。
藍色の髪に瞳が特徴ですね。
「なんだ?」と言ったほうがセカン伯爵家嫡男のモーブ・セカン様。
こちらは、茶色の髪と瞳をしています。
吹っ飛んでいった方がドライ伯爵家嫡男のヤークワキ・ドライ様。
赤色の中でも暗い、海老色の髪に瞳をしています。




