降臨 17
「よかった。元に戻られたのですね?」
「元に?どういうことですか?」
「それはですね__」
「おい、ちょっと待て」
レオン殿下がヴィサス様を止める。
何故?せっかく説明してもらおうと思ったのに。
「ちょっとその前に聞きたいことがあるんだ」
「聞きたいこと、ですか?」
「ああ、メアリー嬢はさっきの記憶はないのか?」
「はい。眠っていたようでして、何も覚えていません」
「そうか、魔王様は大変だな」
「全く、その通りですよ」
「……………………」
「……………あ」
しまった!
というか、私が魔王であることがバレていませんか!?
いや、たまたま何かの間違いかもしれない。
そうだ。そうに違いない。
…………念の為、一応確認しておきますか…
「な、何を言っているんですか?魔王だなんてそんな__」
「もう確信してるから隠さなくていいぞ。ヴィサス嬢も同じだ」
そう言われて、バッ!と勢いよくヴィサス様の方を見ると、力強く頷いている。
やっぱりバレてるぅぅぅぅっ!
何故だ!?何故バレたんだ!
私はまだボロを出していないはずなのに!
…はっ!まさか…私の眠っている間に何かあったな!?
そういえば、私ってさっき死にかけてたような……そして、そのとき前世の魔王が出てきて二人を助けてくれるって言ってたような……
あの野郎!私の身体で派手にやりやがったな!
よく見たら後ろに変な大穴があるし!
地面も、さっきまで大雨が降っていたかのようにぬかるみまくっている!
次会ったら絶対ぶっ飛ばしてやる!
「……そうなのですか。まさか気づかれてしまうなんて思っていませんでした」
そんなことを思っているなんておくびにも出さずに、華麗にクールにやり過ごす私。
「それで、どうします?魔王の生まれ変わりなんて危険な存在、このまま放置とはいかないでしょう?」
シャーユ王国の歴史から考えれば、魔王の生まれ変わりなんて許されるはずがない。
あれなら、この国を出るしかないでしょうね。
少しだけ覚悟を決めた。




