降臨 15
「は?何をふざけたことを__」
ピカッ!!!
ゴロゴロ…………
空が一瞬、昼間のように明るくなる。
しかし、すぐにゴロゴロという音と共に光も消えてなくなってしまった。
「お前では我を消すどころか、傷をつけることすら叶わん!無駄なことは止めるんだな!」
強がっていはいるが、キングゴブリンは内心焦っていた。
バラバラの状態からでも再生できる力があれば、何をされようとも大丈夫なはず。
しかし、寒気が止まらない。
この寒気はいったい…
「…クソッ!とにかく消えろっ!」
足に溜めていた魔力を解放し、そのまま蹴り上げる。
すると、足に生えている鎌から高密度の魔力が刃となって襲いかかってきた。
「……すまんな、妾はそもそもこんなものは防ぐ必要すらないのだ」
そう言って、指先を真空の刃に向ける。
そして、魔力の刃が指先に触れると、それだけで魔力が霧散し消えてしまう。
「ば、馬鹿な!こんなことあるはずがない!」
何度も何度も魔力の刃を飛ばす。
空を切り裂き、大地を割る。
しかし、その全てが届かない。
全て指先に触れると、そこには何もなかったかのように魔力の刃が消滅してしまう。
「こんな…っ!こんなことが…っ!」
「純粋な魔力では妾を傷つけられないのだ。それが、この世界の理なのでな。」
「……世界の、理…?」
「ああ…そして、これもその一つ」
空を見上げると、そこには辺り一面に暗雲が満ちていた。
いたるところで、光と共に轟音が鳴り響いている。
「なんだ、それは……まさかこの雨はお前が作ったとでもいうつもりか!?あり得ない!天候を操るなど、もはや生物の次元を超えて__」
そのとき、キングゴブリンは一つの考えにたどり着く。
「いや、まさか……それこそあり得ないっ!」
生物には天候を操るなど、何があっても絶対にできない。
なら、それができる者と言えば…
ピカッ!!!
ゴロゴロ……
再び、雨雲の中から轟音が鳴り響く。
その光はまるで、おとぎ話に出てくる龍のようにうごめいているように見えた。
「これで最後にしよう」
ピカッ!!ピカピカッ!!!
ゴロゴロ…ゴロゴロ……
光が、一点に集まっていく。
絶え間なく轟音が響き渡り、空が明るく照らされる。
「まさか、本当に…?」
寒気の正体が今わかった。
予想が確信に変わる。




