それぞれの戦い 5
「何も知らない私はそれからすくすくと育ち、やがて街の中でも一番と噂されるほどの美少女へと成長しました。当然です。なんせ、あの男を惑わし餌とするサキュバスの血を引いているのですから。まあ、当の私はそんな事知らないので、自身の美しい見た目をむしろ誇りにすら思ってましたが」
当時が何年前かは分からないが、今見えている顔と身体のシルエットだけで妖艶な色気がビンビンに感じるほどだ。
当時は今よりも若く、大人の色気がないにしても、男を惑わす美貌が健在であったことは想像に難くなく、本人も思い上がりでも何でもなく、ただ事実としてそのことを話しているのだろう。
「…ですが、18歳を迎えてから数日。私の身体に突如異変が起き始めました。何故か身体がムズムズするのです」
「ムズムズ?」
「はい。当時の私の感覚で言うなら、正に【ムズムズしていた】としか言いようがありません。そのムズムズが何なのか分からなかったのですが、時間が経てばその内治るだろうと放置してしまいました。そして、その判断が後に私を一生後悔させることになるのです」
「なにそれ?ムズムズしていたって言うなら親に相談とかしなかったの?病気とかかもしれないじゃない」
「……しなかったんじゃなく、出来なかったんです。だって……ムズムズしていたのは…その…下腹部でしたから……」
「……下腹部?どこそれ?」
「……へそのすぐ下くらいです…」
「へー。で、それが何か関係あるの?」
「……分かりませんか?」
「全然」
「…………」
「………………」
なんだ?急に恥ずかしそうにしながら黙ってしまったぞ?
へそのすぐ下がムズムズするから一体なんだというのか。
訳が分からず首を傾げていると、ドールはアタシの態度に痺れを切らしたのか意を決して口を開いた。
「…………子宮です!」
「……子宮?」
「そうです!そんなところがムズムズしてるなんて親に言える訳ないでしょう!?変態だと思われるじゃないですか!」
なんと、ムズムズしていた場所の正体は子宮だった。
ドールは余程恥ずかしいのか、顔を真っ赤に染めている。
チ◯コといい子宮といい、それを口にするだけで顔を真っ赤に染め上げるなんて、まさかこいつ、半分サキュバスなのに処◯なのか?




