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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 7

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降臨 9

「ワハハハハ!力が(みなぎ)る!今ならなんだってできそうだ!」



全てのゴブリンたちを吸収し終えたキングゴブリンは、もはや別物へと変貌していた。


身体は三倍の大きさにまで膨れ上がり、肩から腕にかけて棘のようなものが、ふくらはぎからは鎌のようなものが生えている。


さらに顔面の皮がところどころ破けていて、内側から黒い何かが見え隠れしている。



「もう我は負けぬ!お前にも!誰にも!我を見下すことはできない!」




ウオオオオォォォォッ!!!




キングゴブリンは急に雄叫びを上げる。


それは衝撃波となり、辺りに広がると部屋全体にヒビが入ってしまった。


壁が、大地が震える。



「もうこんなところに隠れておく必要もない!この力があれば世界も統べることができる!まずは手始めにお前たちがいた国から潰してやろう!」



バキバキッ!ガラガラドシャッ!!



ヒビがさらに大きくなり、ついに部屋が崩れ始めた。



「……ふむ、とりあえず…」


「きゃあっ!」


「な、なんだ!?」



妾は、二人を包んでいる障壁ごと空中に持ち上げる。


そのまま、妾の近くに寄せた。



「このままだとこの部屋が崩れそうだからな。近くに置かせてもらうぞ」


「「は、はぁ……」」



風魔法も使わずに、空中にいることが何故なのか見当もつかないのだろう。


2人共妾が言った言葉に生返事するばかりで、ずっと目を白黒させている。



ゴゴゴゴ…!

ガラガラガラッ!



部屋の崩壊が進んでいる。


もうじき、この部屋は瓦礫で埋め尽くされるだろう。


そろそろ、外に出ることも考えねば。



「ハハハハハハッ!ワハハハハハハッ!」



そんな中、いまだに笑い続けているキングゴブリン。


完全に力に呑まれている。

もう、以前の精神状態ではないのだろう。


どんどん、瓦礫がキングゴブリンの周りを覆いつくしていく。



「……哀れな…」



妾はそれを一瞥(いちべつ)し、二人を包んだ障壁ごと崩れゆく天井に向かった。

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