私、公爵令嬢になりました 3
そんな声は気にせず、漆黒の髪をなびかせ私は自身の席に堂々と戻る。
すると、堂々とした私の態度に周囲の人間が好奇の目で見てヒソヒソとしてくるので、藤紫の瞳で睨んでやった。
そうすると、一部の人間は顔を赤くしながらヒソヒソ話を止めた。
顔を赤くする意味はわからないですが、これで静かになったので良しとしましょう。
「…さて、気を取り直して次に参ります。次_」
ということで、私の魔力測定は以上です。
え?魔力測定前に言いかけてたことはなんだったのかって?
…ああ、そんなこともありましたね。
ええ、私は周りの人たちみたいに自身の魔力測定には大して興味ありません。
だって私、元魔王ですから。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「おい、無色の公爵令嬢さんよぉ」
「最近ちょーっと調子に乗ってない?」
「自分の立場、わかってる?」
入学式から1週間経ったある日。
私は校舎裏に来ている。
というか呼び出された。
いや、連れて行かれた?
帰ろうと思い校舎を出ようとしたら、なんか男3人に捕まり校舎裏に来るように言われたが無視して帰ろうとした。
そしたら、無理やり連れて行かれたのが今。
「なんですか?帰るのに忙しいんですけど」
「おいおい、まだわかってないみたいだぜ?」
そう言って、男たちは笑いながらお互いの顔を見る。
「無色の公爵令嬢さんは、自分が学園でどんな風に思われてるか知らないらしい」
「まあ、見るからに下品な見た目だし、頭も悪いんだろうな」
「娼婦としてなら価値があるんじゃないか?」
下卑た視線が私の身体に纏わりつく。
まあ、私の身体は前世である元魔王に瓜二つ。
強いて言うなら、前世は妖艶な完成された大人な美女。
今は幼さがところどころ残る、少し未成熟な美少女といったところか。
それでも、前世ほどではないにしろ学園指定の制服を押し上げる豊満な胸とお尻は健在で、まだ成人もしてないお子様たちには刺激が強すぎて我慢できなかったらしい。
ちなみに、私たち学園の生徒は学園指定の制服を男子、女子それぞれ着用している。
男子は、足のラインに沿った灰色のスラックスに、白のシャツ、藍色のブレザーに青と白の斜めストライプ柄のネクタイでシンプルにまとめている。
女子は、白のリボンブラウスに藍色のハイウエストジャンパースカートと、制服でありながらお嬢様の気品を兼ね備えている格好をしている。
というか、この制服胸がこれでもかと強調されてるような気がするんですけど。
いったい誰の趣味なんですかね?校長?
これのせいで下品とか言われてるんじゃないんですか?私。