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公爵令嬢は、元魔王です?  作者: ゆー
本編 30

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人類 VS 不死者 8

「……よし!このままいけば制圧出来るぞ!」



幹部たちの乱入により、不死者(アンデッド)は徐々に動けなくなっていく。


その間に、囲まれていた兵士は救出。

すぐに救護施設へと運ばれていった。


後は残った不死者(アンデッド)殲滅(せんめつ)するだけだ。



「皆、油断するなよ!一匹一匹確実に制圧しろ!」


「「はっ!」」



幹部たちの顔色にも油断は一切見えない。


これなら、いずれ押し切れる。


そう思っていた。



____しかし……



__ボゴォッ!!



「な、何!?」



さらに別の地面から不死者(アンデッド)が溢れ出した。


一匹…二匹…四匹と、その数を増やしていく。



「クソッ!絶対基地には行かせんぞ!」



俺は剣を抜くと、基地へ向かおうとする不死者(アンデッド)に斬りかかる。


しかし、一匹を相手にしている間に隣を別の不死者(アンデッド)が抜き去ろうとする。



「くっ!行かせるか!フレイム・アロー!」



炎の矢を作り出し、過ぎ去っていった不死者(アンデッド)の背中めがけて放つ。


炎の矢は不死者(アンデッド)へ命中し、その全身を(またた)く間に炎で包み込む。




グオォォォッ……



不死者(アンデッド)が断末魔の悲鳴を上げながら動きを止めた。


しかし、この程度の火力ではいずれ炎は消え、身体を再生させてしまうだろう。


悔しいが、俺が放つ炎程度では足止めにしかならない。



グオォォォッ!

  グオォォォッ!



「あ…!待て!」



さらに俺の横を二匹の不死者(アンデッド)が走り抜けていく。



「行かせるか!フレイム・アロー!フレイム・アロー!」



すかさずそれぞれの不死者(アンデッド)に一本ずつ炎の矢を放つ。


炎の矢は先ほどと同じように不死者(アンデッド)の背中に命中する。


そして、全身を炎で包み込むと、不死者(アンデッド)は苦しみの声を上げながら動きを止めた。



今はこうして足止め出来ているが、あの地面から次々に不死者(アンデッド)が湧き出てくる。


このままではいずれ俺たちの食い止めきれなかった不死者(アンデッド)たちが基地へと向かってしまう。



「とにかく!不死者(アンデッド)たちを出来るだけ引き付けなければ…!」



俺はさらに四つのフレイム・アローを生み出すと、近くの四匹の不死者(アンデッド)にそれぞれ放つ。


命中した不死者(アンデッド)は一気に燃え盛る。



幸い、ここにいる不死者(アンデッド)たちは知能が低いため、攻撃を避けるなどの行動はしない。


そのおかげで適当に攻撃するだけでこちらに意識を向けてくれるから有り難いが、何匹も同時に相手にするのはさすがにきつい。




グオォォォッ!




始めにフレイム・アローで燃やした不死者(アンデッド)が再生が終わってこちらに向かってくる。



「ぐ…っ!オラッ!」



目の前で相手をしていた不死者(アンデッド)を蹴り飛ばし、すかさず襲いかかってきた別の不死者(アンデッド)の攻撃を剣で受け止める。



「ぐう…っ!右腕が…!」



その衝撃で、右腕に鋭い痛みが走る。

先ほど繋げたばかりでまだ完全に繋がっておらず、右腕が悲鳴を上げているのだ。




グオォォォッ!

  グオォォォッ!



ここでさらに別の不死者(アンデッド)が、既に攻撃を受け止めている剣に重ねて攻撃してくる。


衝撃がさらに増し、痛みが強くなっていく。



「クソッ!このままでは…!」



三匹からの攻撃に耐えきれず、徐々に押し込まれていく。



グオォォォッ!

  グオォォォッ!

    グオォォォッ!



しかも、さらに三匹の不死者(アンデッド)が基地に向かって駆けていった。



「あっ!待て…!うぅ…っ!」



基地に向かう不死者(アンデッド)を止めようにも、目の前にいる不死者(アンデッド)たちが邪魔で止めに行くことが出来ない。



ここまでなのか…すまない…皆……



駆けていく不死者(アンデッド)の背中を見送り、俺は自身の無力感に(さいな)まれ目を伏せた。

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