人類 VS 不死者 6
「どうした?歯切れが悪いな」
「いえ…それがですね……」
「?」
報告しようとするが、何か気まずい事情でもあるのか苦々しい顔をしてボソボソと言葉を口にする幹部の一人。
「なんだ。何かあるならハッキリ言ってみろ」
「はい…協力要請をした神聖王国ミストルティンですが……汚いものには近づきたくないと断られました……」
「……は?」
今なんて言った?
汚いものには近づきたくないって……いや、そんなはずはない。
いくらエルフたちが他種族を見下し、関わろうとしないような奴らだとしても、一応俺たちシャーユ王国とは同盟を結んでいるのだ。
普段はお互いの国で貿易等も普通に行われている。
もちろん、国の防衛も協力すると同盟時に書面で交わしたはずだ。
その証拠に、以前ミストルティンに別の国が侵攻してきた時はこちらからも軍を派遣したものだ。
そのときに届いた協力要請時の書状では「さっさと軍を出せ。そのために同盟してやってるんだから早くしろ」と実にエルフらしい内容で書かれており、それを見たときは思わず苦笑いしてしまったと記憶している。
「…ここに、ミストルティン王からの手紙があります。一応同盟国であるからか、渋々書かれたようですが…」
「なに!?あのミストルティン王が手紙を…!?ちょ、ちょっと見せてくれ!」
余程のことがない限り内政に関わることもせず、姿すら見せない筋金入りの引きこもりが手紙だと…!?
急いで幹部から手紙を受け取ると、破るように手紙を開ける。
「……【不死者なぞに近づけば余の国民が穢れてしまう。よって、協力はせん。以上じゃ】…………」
「「………………」」
俺は手紙の内容を読み上げた。
俺含め、幹部たちは誰一人言葉を発さず、シーンと会議室内静まり返る。
「……な、なんじゃあこりゃあぁぁっ!!」
そのあまりの内容に、俺はひっくり返りそうになった。
なんだ穢らわしいって!
お前たち同盟国じゃなかったのか!
やっぱりエルフはエルフだな!
「エルフ共め……こちらが人間だからって馬鹿にしやがって…!」
同盟国だからもしかしたらと思ったが、エルフなんかに期待した俺が馬鹿だった。
というか、仮に俺たちが不死者の軍勢に負けたら地形的に次に自分たちの国が襲われることが分からないのだろうか。




