人類 VS 不死者 5
「……はっ。神聖王国ミストルティンですが、それは私が報告させてもらいます…」
神聖王国ミストルティン
それは古から存在する高位種族、ハイエルフが王として君臨する絶対王政が敷かれた完全な独立国家の一つである。
頂点に君臨するハイエルフを崇め、敬い、神として崇拝するその国民性は端から見たら異常にも見えるが、この国ではそれが当たり前のことであり、これに異を唱えることは反逆を意味する。
そして、この国には反逆者かどうかを審査する異端審問官がおり、その異端審問官が反逆者だと判断したらその時点で反逆者として処刑されてしまうという恐ろしい国でもある。
普段はハイエルフの下位種族であるエルフが国を統治しており、ハイエルフ自身は国や国民に関心が無いのか城の中に引きこもっている。
ときおり気まぐれに王のお触れとしてエルフたちに指示を飛ばすだけでその姿は一切表舞台に出てくることはなく、その正体はハイエルフであること以外は姿形に至るまで全てが謎に包まれている。
エルフは他の種族よりもかなり長命で美しく、寿命が尽きる直前までほとんど老いることはない。
さらに弓の扱いや魔法は得意で、潜在的に魔力を多く持って生まれてくることが多い。
自然をこよなく愛し、ドワーフや人間たちとは違って科学を必要としない生活を良しとしている。
そのため、国の中のほとんどは昔ながらの木造や石製が多く見られ、特別な施設以外は鉄やガラスすら使われないほど徹底されている。
そして、エルフたちは昔から他の種族を下等種族だと見下す傾向がある。
それも、エルフが他の種族と比べて美形が多く、そのおかげで酷い事件が多発した影響だと言われているが、それのせいでエルフたちは基本的に排他主義で他の種族とは共存しようとしない。
ハイエルフを頂点に他の種族を見下し、同盟国以外とは関わろうともしない。
それがエルフたちの国、神聖王国ミストルティンである。
ちなみにドワーフやエルフなど、人間と友好的、または敵対していない種族のことを【亜人族】と呼んでいる。
魔族とは違うということをしっかり区別しておくことで、人間の敵ではないと心象を良くしているのだ。
まあ、それもこれも全部、人間側の勝手な都合でしかないのだが。




