人類 VS 不死者 4
「……それで、残りの二つはどうだ?」
「はっ。次は魔工国アガルタについて報告します__」
魔工国アガルタ。
それはエルダードワーフが統治するドワーフたちが住む国。
魔工学という魔法と科学を融合させた独自の学問を追求し、魔装兵という機械兵団を率いる巨大な軍事国家の一つだ。
魔装兵とは、特殊な金属をさらに特殊な技術で作り上げた兵器の総称で、特殊な金属で出来た装甲は恐ろしいほどに硬く、その硬さは物理は当然のこと、魔法を通さない性質により鉄壁の防御力を誇る。
物理も魔法も通じないということは、理論上その魔装兵を止める手段は無く、一度戦争が始まれば一方的な虐殺が起きかねないほどの凄まじい兵器である。
しかし、魔工国アガルタは魔装兵とかいう強力な兵器を保有しているにも関わらず戦争自体には全く興味がなく、その実態は王も含めて国民たち全員がひたすらにあらゆる学問と工業を極めることに邁進する、研究と発明の国なのだ。
そんな戦争とは無縁の国民性を誇る国でありながら、その圧倒的なまでの学問と工業に対する探究心によって結果的に兵器がものすごく進化してしまった国。
それが魔工国アガルタである。
「__魔工国アガルタは現在、不死者の軍勢からの侵攻を受けており、そちらの対処で手が離せないので協力は難しい、とのことでした」
「な…っ!アガルタまでもが不死者に襲われただと…!?」
俺たちだけでなく、あの圧倒的な軍事力を持つ魔工国アガルタまでもが不死者の標的になっていたのはさすがに驚きを隠せなかった。
「ただ、報告によると現在の被害状況は軽微。攻めてきた不死者の数は我々と比べても多い方ですが、魔装兵によって駆逐中です。しかし、アガルタでも浄化属性持ちは数が少なく、全て駆逐するには時間がかかるとのことでした」
「そうか…大事なくて良かった。だがアガルタからの協力がないのは痛いな……」
魔工国アガルタは先ほどの話にも出てきた通り、魔装兵による圧倒的な軍事力がある。
なんとか前線を食い止めている俺たちの国よりも多くの不死者に襲われているのに、被害が軽微で済んでいるところがその証拠だ。
「……だが、魔工国アガルタは無理でも、もう一つの国はどうだ?あちらは、地形的に不死者の襲撃は受けていないと思うが」
悩んでいても仕方がない。
こちらが時間をかけている間にも不死者の侵攻は続いているのだ。
国民を守るためにも、一刻も早く不死者を全滅しなければならない。




