本物の竜 29
「こいつらが我の眠っている場所を刺激するものだから、思わず目覚めてしまった。見る限り使役されていたようだが、これはお前たちではないのか?」
「いえ、私たちではありません。でも、おそらく…」
スターシから話を聞いた限りだと、不死者を使役出来るような奴は一人しかいない。
「コンカラー…!またしても…!」
スターシが憤りのあまり、鋭い目付きで歯を食いしばり、拳を強く握り込む。
「ふむ、お前たちではないなら目的が分からんな。一体どうしたものか…」
「それなら、本人に直接聞いてみたらいいのではないですか?」
「…それもそうだな。予定とはズレてしまったが、とりあえずそうすることにしよう」
方針が決まった。
とりあえず、マルダはそのコンカラー(?)とかいう奴を捕まえて問いただすことにしたようだ。
しかし、いくつか気になることもある。
一つは、何故コンカラーは竜が実在することを知っていたのか。
しかも、この広大な山脈の中ピンポイントに眠っている場所を見つけている。
知っているだけでなく、眠っている場所まで把握しているということは、明らかに確信を得るだけの情報を持っていたということだ。
ならば、その情報はどこで手に入れたのか?
そしてもう一つは…………
「先ほどから言っている、目覚める予定ってなんですか?」
そう。マルダが何度も口走っている【目覚める予定】だ。
こんな巨大な竜がずっと眠っていて、しかも目覚める予定があるなんて余程のことに違いない。
ところどころ口走っている話を聞く限りどうやら神たちが関わっているようだが、気になるなら本人に直接聞けを信条としている私。
ここは素直に尋ねることにした。
「ん?目覚める予定のことか?」
「はい。先ほどから何度も言われていますが、それは何なのですか?将来貴方が目覚めて何かする予定でもあったのですか?」
「お?気になるか?まあそうだよなぁ。我ほどの力を持つ竜が、目覚める予定があると聞いて気にならない訳ないよなぁ?」
一体何がおかしいのか、ニヤニヤとからかうような表情で笑うマルダ。
正直腹立つ。
私は、手を出したくなる気持ちを何とか抑える。
「…いいから、もったいぶらないでさっさと話してください」
「なんだ、せっかちな奴だな。そういうところは過去のお前とそっくりだぞ?」
「…………フンッ」
ボゴッ!
「あ痛っ!?何をする!?」
「貴方が過去と比べるようなことを言うからです」
過去の私などどうでもいい。
というか、比べられること自体が不愉快だ。
私は私。
過去など関係ない。
「分かった分かった……この凶暴性、やはり昔と同じ__」
「…………(ギロッ)」
「な、何でもない何でもないぞ…?」
私が睨みつけると、マルダはバツが悪そうに視線を逸らす。
失言だと分かっているなら言わなければいいのに。
「……ごほんっ、えぇー目覚める予定の話だったか?」
「そうです。余計なことばかり言わないでさっさと話しなさい」
「おぉー怖い怖い。まあ、別に隠してることでもないし、お前たちならいいだろう」
そう言って、神妙な顔つきになると、マルダはゆっくり語り始めた。
「目覚める予定、それはな_______………」




