本物の竜 24
「それにしても、何故お前はそんな見た目をしているのだ?いめちぇん?とやらか?」
マルダが、私の見た目をジロジロと見ながら不思議そうな顔をしている。
「そんな見た目ってなんですか。私は昔からこうですよ」
「いや、昔のお前はこう…キラキラしたドレスみたいなのを着ていたぞ?それが今は髪の色も違う上に背も縮んでいるように見える。それではまるで、幼くなった月の神みたいではないか」
過去のルナの姿を知っている…?
それに昔の私は確かに、フェリシテ公爵家にいたときに社交界とかでキラキラしたドレスを着たことはあるが、そんな時期にこのイケメン竜に出会った記憶なんてない。
……何か嫌な予感がする。
「……誰かと勘違いしていませんか?最近よく間違われるんですよね。特に神様とかに」
ビンビンに嫌な予感がして、誤魔化すようにそう言う。
「ん?何を言っておるのだ?勘違いも何も、お前は神そのものであろう?」
「…………は?」
そんな私の小さな抵抗も虚しく、無情にも一番聞きたくない言葉が出てきてしまった。
…………私、本当に神なのですか?
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
「ハハハッ!なんだ、記憶を失っているならそういえばいいというのに!」
ガハハと大きな声で笑うマルダ。
一体何が面白いと言うのか。
「何を笑っているのですか。私はこれっぽっちも面白くありません」
不満の意をぶつけるように睨みつける。
しかし、マルダはそんな私の視線を全く意に介さず、大きな声で笑い続けていた。
「ほら!私が言った通りだったでしょ!?やはりメアリー様は私の主様、その生まれ変わりで間違いないんですよ!」
そして、ルミナスは興奮した様子で私にまくし立てる。
その際、右腕を何度も引っ張るから少し痛いのだが?
「生まれ変わりか。そういうことであれば納得だな。聞けば相当魂が傷ついておったようだし、むしろよく転生出来たとも言える。力をほぼ失い、魂が砕かれたというのに記憶を失うだけで済んだのは奇跡というほかないな」
ルミナスの言葉を聞いて、一人納得するマルダ。
先ほど、マルダには私がルナから聞いた過去の出来事を伝えた。
誰にも言うなとは言われてないし、必要だったから大丈夫だろう。
そして、そのマルダが言うには、私は星の神の生まれ変わりで間違いないらしい。
いや、私はまだ現実を受け止めきれないのだが。
もう私は神の生まれ変わりということで間違いないのだろうか?
リテイクもリセットも無理?
元々はただの貴族の小娘だったはずが、何故か魔王の生まれ変わりだと言われ、やっとそれを受け止めれたと思ったらあれよあれよという間にその魔王が本当はこの世界を作った神様であると言われ、次の瞬間には私自身が本当は神様だったと言われる。
……なんだこれ。こんな人生って普通ある?




