本物の竜 17
「__どうだ。これなら問題なかろう?」
渋い声が聞こえてくる。
中から姿を現したのは、予想を超えるほどのイケメンだった。
身長は私が見上げるほどに高く、その真っ白な肌は光を反射するほどに眩しく美しい。
異常なまでに均整のとれた顔。
暴力的なまでに真っ白な肌によく似合う漆黒の髪。
筋肉がバランスよくついた、大きすぎず小さすぎない胸板。
うっすらと割れた腹筋に、程よく引き締まった腕。
逞しさを感じさせつつ、美しさまで兼ね備えた長い脚。
美しさを具現化させたといっても過言ではないほどのイケメンがそこに立っていた。
そして、一番大事だが例の鼻がもげるほどの臭気がきれいさっぱりなくなっていた。
「……なんですか。そんなのが出来るならさっさとしてくださいよ。こっちは死ぬかと思いました」
「…お前はさっきから失礼な奴だ。我は竜だぞ?もっと敬意を払ってもいいのではないか?」
「そういうのは敬意を払われるようなことをしてから言ってください。今の貴方は、私に臭い息を吹きかけただけで尊敬するなど到底出来ません」
「う、うむ……」
先ほどの異常なまでの臭さによって、私の中から恐怖や覚悟、ついでに遠慮や思いやりまでが消え失せてしまい、あの身じろぎするだけで山を崩すような巨体を持つ竜を前にして、容赦なく思ったことを口にしてしまう。
そして、そんな私の辛辣な言葉に、気まずそうに目を泳がせる竜だったイケメン。
しゃべりかけてきたと思ったら、あんな死の毒ガスを浴びせてきたのだから尊敬するなど出来るはずもない。
それに、尊敬出来ない理由はもう一つある。
「それと……服くらい着たらどうですか?」
そう、こいつはあろうことか、服の一枚も身につけていなかったのである。
だから顔だけでなく、胸板や腹筋の形までハッキリ見えていたのだ。
そして、目の前にいる竜は男性の形をしているため、男のシンボルであるアレ…いわゆる局部が丸見えになっていた。
しかもこいつは、それを隠す気が一切ない。
堂々と腕を組んで仁王立ちするものだから、何にも遮られることなくダイレクトに目の中に映り込んでくるから非常に厄介だ。
「はわわ…!何ということでしょう…!」
それを端から見ていたスターシは、顔を真っ赤に染めながら両手で目を覆って見えないようにしている。
……いや、指が少し開いているな?
その隙間からガッツリ局部をガン見している。
どうやら、スターシはむっつりのようだ。
「む…あの男、メアリー様にアソコをあんなにじっくり見てもらえるなんてなんて羨ま……いえ、なんてけしからん奴だ」
ルミナスは意味の分からないことを口走っている。
「なんかブラブラしてて面白そう!」
コケは別の意味で訳の分からないことを言っている。
……まさか、アレが何なのか理解していないのでは…?




