私が___ですか?何かの間違いでは? 8
『…ほぅ、それがそなたの答えか。実にそなたらしいな』
『何ですか、私らしいって。逆に聞きますが、もし私がルナの妹だったとしたらどうするんですか?』
『もしもメアリーが妾の妹だったらか?そんなの決まっている』
すると、ルナは考えるように言葉をためると、次の瞬間に一気に爆発した。
『……まず、妾に姉様って言ってもらうだろう?そして、今まで話せなかったいろんなことを語らいながら美味しいものを食べて…あ、その前に妾たちを貶めたあのクソ野郎に目にものを見せてやるのが先だな。それから一緒にご飯食べて、一緒にお風呂に入って、一緒のベッドで眠り……あ、久しぶりに髪をセットしてあげたいな。妹の髪はそれはもう綺麗な銀髪でな。普段は触らせてもらえないんだが、機嫌がいい時だけ姉である妾のみ触らせてもらえたのだ。あの美しく一切のざらつきもない滑らかな極上の触り心地は、正に神の御業と言っても過言ではないほどで、その銀髪に触らせてもらえることは姉冥利に尽きると妾は____』
『あー!もう分かりましたから!』
『__なんだ?まだまだ語り足りないのに。メアリーが聞いてきたのだぞ?』
『もう十分です!ルナが妹を大好きなのは十分に分かりましたからこれ以上はもう止めてください!』
『まだまだこれからというのに……』
私に急に止められ、不満そうなルナ。
私は私で、自身に言われた訳でもないのに妙に気恥ずかしさを覚えていた。
話が長かったのもあるが、その気恥ずかしさのせいで話を遮ってしまった。
『ああ、そうだ。これも返さんといかんな』
『これ?』
そのとき、内側からルナとは別の力を感じた。
なんだか見覚えがあるような、懐かしさすら感じる。
……なんか変な感じだ。
『これはキングゴブリンから回収した妹の力だ。これの他にも、いくつも妾の中に眠っている。まずはこれを本人に返してやらねばな』
『ああ、これが……』
なるほど。
実際に過去に見たことがあるから見覚えがあったのか。
純粋な力のみになるとこんな風に感じるのかと思うと、少し不思議な感覚だ。
『……ああ、そうだ。メアリーが本当に星の神かどうか確認する簡単な方法があったぞ』
『え、そんなのがあるんですか?』
『ああ、実に簡単な方法だ。ただ、妹の力をメアリーに移すだけでいい。これで簡単に分かるぞ』
『私に妹の力を移す…?ああ、そういうことですか』
つまり、ルナはこう言いたいのだ。
星の神の力はそもそも適正がなければ使うことは出来ない。
双子の姉妹であるはずのルナですら、適正が低くてアイテムボックスの強化版のようなものしか使えないのだからそれは明白だ。
その上で、私に星の神の力を渡して上手く馴染めば……と、そういうことなのだろう。
『なるほど、ルナが言いたいことは分かりました』
『話が早くて助かる。もし本人なら他の奴らとは違い、馴染むどころか完全に融合してしまうだろう。なんせ、自分自身の力だからな。どうだ?試してみるか?』
『そうですね。やってみましょう』
それでどちらかハッキリするならそれに越したことはない。
さっさと試して、私が正真正銘ただの人間であることを示してやろう。




