私が___ですか?何かの間違いでは? 5
「__で、貴方たちはいつまで私に抱きついているんです?」
「もう離しませんからね!ステラ様!」
「ご主人様はコケのご主人様なんだから!コケから取らないで!」
私の左腕と、腰の右側から声が聞こえる。
そこには、私の左腕に絡みつくルミナスと、右側から腰に抱きつくコケの姿があった。
「なにー?貴方。私のステラ様にちょっかいかけないで」
「あ!ダメだよ!コケのご主人様なんだから!」
しかも、私をめぐって争っている始末。
ときおり、左右に引っ張られて体を揺さぶられる。
なんだか、こんな光景を過去にも見たような気が……
「残念。もう貴方のご主人様じゃなくなったんだよー?」
「そんな訳ない!ご主人様はコケのこと捨てないもん!」
再び左右に揺さぶられる。
……気持ち悪くなってきた。
「……ええい!鬱陶しい!」
「あっ!」
「うわぁっ!」
私は身体に魔力をまとわせると、二人を振り払う。
その衝撃で二人は二、三歩後ろに後ずさると、少し不満そうな顔をこちらに向ける。
「な、何をするのですか!?」
「そうだよ!ご主人様!」
「うるさいですよ、二人とも」
こういうときだけ結託するのもあの子たちと同じ。
私は小さなため息をつくと、二人に鋭い視線を向けた。
「はぁ……貴方たち、側にいることは許しましたが、そんなに密着したら邪魔で仕方ありません。その上醜く争うなど、恥を知りなさい」
「し、しかし!このチビが生意気にもステラ様を独占しようとするから!」
「チビってなんだ!そっちは牛みたいなお乳してるくせに!」
「あ!言ったな!このチビ女!」
「なんだとー!この牛女!」
「黙りなさいっ!」
「「っ!!」」
こいつらは何が気に食わないのか、性懲りもなくまた争いだす。
私は一喝して黙らせると、静かに言った。
「そんなに気に食わないなら置いていきましょうか?私は別にそれでも一向に構いませんよ?」
「あ…そ、それだけは勘弁してください…!」
「コケを置いていっちゃヤダよー!」
私の脅しともとれる言葉に、二人は焦っておろおろする。
「ならば無駄に争わないことです。いいですね?」
「はい…分かりました……」
「うん…」
私の説教を聞いて、シュン…と落ち込んだように軽く項垂れる二人。
「……なんだかアレ、昔のアタシたちみたいじゃない?」
「…そうですね……」
過去に同じ経験を持つ二人は、それを見て若干の恥ずかしさを覚えるのだった。




