三聖女、一堂に会する 20
「__お待ちしておりました。我が主よ」
そんな、メアリー様とコケのおかげで和やかな雰囲気になっていたとき、急に空気が変わった。
声が聞こえた方に視線を向けると、そこにいたのはルミナスだった。
ただ、先ほどまでのポヤポヤした面倒くさがりの雰囲気は一切せず、キリッとした佇まいで綺麗に頭を下げている。
一体何があったというのだろうか…?
「……我が主?私に部下などいませんよ。というか、貴方誰です?」
最初に反応したのはメアリー様だった。
冷静にルミナスの言葉を否定する。
そして初対面だったのか、名前を確認する始末だ。
「いえ、お言葉を返すようですが、貴方様は紛れもなく我が主です。きっと、お忘れになっているだけでしょう」
「は、はぁ……」
そんなメアリー様の対応を気にしていないのか、はたまた何か確信があるのか分からないが、自信満々に説明するルミナス。
先ほどまでの態度を知っているアタシたちからすれば不自然なほどの丁寧さと、誰が見ても分かるほどの並々ならぬ想いがこもった目に、あのメアリー様も訳が分からず、ちょっと引いている。
「え……まさかメアリー様が…?そんなことがあるんですか…!?」
そんなルミナスの様子を見て、スターシが何故か驚愕する。
確かにあの変わりように驚きはしたが、そんなに言うほどのことだろうか?
「そんな我が主とか、ルナとは違うんですから…で、結局貴方は誰なんです?」
「私の名前はルミナスです。どうですか?何か思い出せそうですか?」
「いえ、全然」
メアリー様が改めて名前を聞くと、ルミナスは自身の名前を答える。
そして、自分のことを思い出したかなどと、まるで過去にメアリー様と知り合いだったかのような口ぶりだ。
しかし、そんなルミナスに無慈悲にも知らないと返すメアリー様。
ルミナスは「そ、そうですか…」と呟きながら残念そうにしていた。
「私は貴方のことを知らないのですが、貴方は私のことを知っているのですか?」
「貴方ではなく、ルミナスとお呼びください。そして、その答えは半分YESで、半分NOです」
「……?」
ルミナスの答えに意味が分からないと首を傾げるメアリー様。
それも当然だ。端から聞いているアタシも意味が分からない。
半分YESで半分NOってなんだ?
「……我が主よ。今世でのお名前はなんですか?」
「え?メアリー……ですけど?」
「メアリー様ですね。魂に刻みつけておきます」
「え…なんか重たくて嫌ですけど…」
なんか意味深な質問だ。
今世が__とか、まるで前世があるかのような口ぶりである。
それをメアリー様も感じ取っているのか、眉をひそめながら不満を口にする。
…いや、あれは単純にルミナスの言動が気持ち悪くて言っているだけかもしれないが……
「ともかく、私はあな__」
「ルミナスです」
「……ルミナス、私はルミナスの主ではないと思うんですけど?」
「いえ、間違いありません。その気配、その魂……間違いなく、貴方様は星の神、ステラ様…その生まれ変わりです」




