三聖女、一堂に会する 18
「……イーリス様…月の神であるルナ様に向かってその態度…その口の利き方…大変失礼ではありませんか…?」
「え……スターシ…?」
スターシの目からは光が失われ、まるで深い闇を覗き込んだかのような、底しれない恐怖を感じる。
「止めろ、スターシ。妾は気にしておらん」
だが、そんなスターシに対してルナが止めるように指示する。
「し、しかしルナ様…!」
それにスターシは不満があるのか、抗議するような顔でルナに進言しようとする。
しかし……
「くどい!妾はいいと言っている。それとも、何か不服か?」
「い、いえ…出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありません…」
それをルナは一刀両断。
スターシの言葉に重ねるようにして、それ以上言う前に遮ってしまう。
その有無を言わせぬ迫力に、スターシは緊張した面持ちで深く頭を下げた。
そのせいか、ルナから不機嫌なオーラが漂ってきて周囲の空気が重くなる。
「__ご主人様ーっ!!」
そんな暗い雰囲気の中、関係ないとばかりにルナに飛びつく奴が一人。
そう、コケだ。
「んぅ?ご主人様じゃ……ない?」
しかし、何か違和感を感じたのか、不思議そうな顔で首を傾げるコケ。
「すまないな。厳密には妾はそなたのご主人様ではない」
そんなコケを、ルナは優しい手つきで頭を撫でた。
コケはよく分からないが、頭を撫でられるのは気持ちいいらしく、目を細めている。
その頃には先ほどまでの暗い雰囲気は完全に霧散しており、アタシたちはホッと息をついた。
コケ、様さまである。
「どれ、そろそろ本物のご主人様とやらに代わってやるか」
そう言って、ルナは静かに目を閉じる。
すると、ルナが纏っていた雰囲気が徐々に変化していく。
厳かで畏怖を感じる雰囲気から、凛とした鋭く気高い雰囲気へと変わっていく。
「__で、なんで貴方たちはここにいるんですか?」
「ご主人様だー!」
目を開き、アタシたちに向かってぶっきらぼうに尋ねてくる。
目の色も白色に戻っており、そのちょっと冷たさを感じる丁寧な口調は間違いなくメアリー様だ。
コケもメアリー様に気づいたのか、パァッと花が咲いたように笑顔になり、メアリー様を強く抱きしめる。




