三聖女、一堂に会する 14
すると、スターシが見上げていた空間が急に歪み、その歪みから何かが飛び出してきた。
「____なにー?急に呼んだりなんかしてー」
なんと、飛び出してきたのはダボダボの上着を着た、くせっ毛のシルバーブロンドに美しい藍色の瞳をした美少女だった。
気だるげな様子でスターシの横に降り立つ。
「神の交信を行います。手伝ってください」
「えー、やだー」
スターシがその美少女に向かって何かお願いをするが、すげなく断られてしまう。
……って、今なんて言った?
…………神?
「いいから手伝いなさい、ルミナス。聖女が三人揃うことは滅多にないことなのですから」
「そんなの知らないー。私には関係ないもーん」
ルミナスと呼ばれたダボダボの服を着た美少女は、面倒くさいのかやりたくないとゴネる。
「創造の聖女は今までずっと敵側でした。それが何の因果か、たまたま友好的な創造の聖女と出会えたのです。この機を逃せば、次にいつこのような機会に恵まれるか分かりませんよ?」
「そんなのどうでもいいよ。それだけならもう行ってもいいー?」
そんなルミナスを説得しようとスターシがあの手この手駆使するが、そんなことは全く意に介さず、さっさとこの場から立ち去ろうとするルミナス。
ここに来たときとは違い、普通に扉から出て行こうとする。
そんなルミナスを見てスターシは小さくため息をつくと、こう言った。
「……あの御方を探すのに、神の交信を使ってもいいですよ?」
「…………」
スターシがそう言うと、ルミナスは扉のドアノブを掴んだところでピタッと動きが止まる。
しかし、ルミナスは振り返らず顔を扉側に向けたまま、その場でスターシにこう尋ねた。
「……でも、あの御方はもういないよ?それなのに神の交信を使ったところで無駄だと思うなー」
「それは分かりませんよ。その昔、無念にも月の神は私たちのためにその身を捧げられましたが、今は転生されております。もしかしたら、あの御方も同じように転生されているかもしれません」
「ふーん…そう言えば、スターシの方は復活してたんだっけー。でも、もし私の方もそうなら、すぐに私に会い来てくれるんじゃないのー?それか神託でも使って教えてくれてもいいしー」
「いえ、その可能性は低いと思います。私の方も神託はありませんでしたし、転生された本人としても、もう神としての役割は果たしたくないご様子でした。というか、私の存在を忘れておられたようです」
「……え?ほんとに?」
スターシの言葉に、思わずといった様子でルミナスは後ろに振り返る。
「ええ。聖女としての力をお見せしたら思い出して頂けました。なのでもしかしたら、あの御方もただ忘れているだけかも知れませんよ。もしくは、何か他の理由があるとか……」
「………………」
「神の交信、使いたくなってきましたか?」
「……いいよ、口車に乗ってあげる。ただし、後で美味しいものいっぱい作ってよねー」
「はいはい。分かりましたよ」
ルミナスはなんだか悔しそうしながらも、心変わりしたのかスターシの説得に応じる。
ついでにスターシの手料理を要求するルミナスに、スターシはまるで母親が子供のワガママを聞いてあげるかのようにフフッと笑いながら受け入れた。




