三聖女、一堂に会する 13
「【創造】で作り出しただけで、本人を呼び出した訳じゃない、ってことね…」
光の粒子となって消えていったメアリー様は、あくまでアタシの魔力で作り出した人形のようなもの。
つまり、自力で動く事も出来ないただの偽物という訳である。
「…【創造】で作り出されたものは時間の経過と共にこのように消滅します。消滅までの時間は込められた魔力の量と質、作り出したものの規模で変わるようですが…」
そこに、スターシが神妙な面持ちで補足してくれる。
やはり、アタシの思った通り先ほどのはアタシの魔法で作った偽物で、メアリー様本人ではないということだ。
それに、アタシが何もしていないのに消えていった理由もこれで分かった。
「……ご主人様じゃなかったの?」
悲しそうな目でこちらを見上げるコケ。
「…ごめん。アタシの魔法で作ったから本物じゃない」
「そっかぁ…そうだよね……」
残念そうに目を伏せるコケ。
ついに会えたと喜んでいた分、今の目を伏せた姿がより一層かわいそうに見える。
「……おそらく会えますよ。私たちが協力すれば」
そのとき、スターシがいきなりそんなことを言い始める。
アタシとコケは、驚きのあまりスターシに視線を向けた。
「先ほどの出来事から推測すると、私の言うルナ様とイーリス様が言うメアリー様、不死鳥様が言うご主人様は同一人物のようです」
「そ、そうね…たぶん…」
先ほどの出来事と言うと、アタシが作り出したメアリー様の人形の話だろう。
それを見て、アタシたち三人はそれぞれ、【メアリー様】、【ルナ様】、【ご主人様】と言った。
その言葉を素直に信じるなら、アタシたちが言った三人は同一人物ということになる。
実際、メアリー様の中にルナが存在するため、見た目だけで言うなら間違ってはいない。
だが、何故スターシがルナの存在を知っているのかが分からない。
あのメアリー様が、簡単にルナの存在を他人に教えるとは思えないし……
「メアリー様とは…ルナ様の宿主様のことで間違いありませんか?」
「宿主…?」
宿主……それはつまり、ルナがメアリー様に寄生してる、と言いたいのだろうか?
実際は寄生というより、元からメアリー様の中にいたルナが覚醒して表に出てきただけらしいのだが……
「…間違いなさそうですね。それなら、あの魔法を使えば大丈夫だと思います」
アタシの反応を見て何かを察したスターシは、確信したように目に力を込める。
そして、アタシが何か言う前に、スターシは右上の何もない空間を見上げながらこう言った。
「__ルミナス。ちょっと来てください」




