三聖女、一堂に会する 7
「あ、あの……スターシ…様は人間ではないのですか…?」
おそるおそるアタシも質問する。
慣れない敬語を使うも、先ほどの恐怖が後を引きずり、上手く言葉が出てこない。
そんな状態でもなんとか聞きたいことを口にする。
先ほどからずっと疑問に思っていた。
それは、アナタも人間じゃないのか、ということ。
「おや、無理をしている気がしますね。私のせいでしょうか?なんだか責任を感じます」
そんなアタシの状態を目ざとく捉え、心配してくれるスターシ。
やはり、本質的にはこの人は優しいのだ。
ただ、絶対に触れてはいけない逆鱗が存在するだけ。
そこにさえ不用意に触れなければ、あんな目に遭うこともない。
でも、その逆鱗が魔族のことだというのは分かるが、何故そうなのかが分からない。
だって、この人はどこからどう見ても人間にしか見えないからだ。
「ほら、リラックスしましょう。そうだ、試しに呼び名を変えてみるというのはどうでしょうか?親しみやすい愛称などで呼び合えば、きっと緊張する事もなくなるはずです」
良い事を思いついたとばかりに、アタシにそんなことを言ってくるスターシ。
それに愛称?初対面でそんな急に馴れ馴れしく出来ないと思うのだが…
「そうですね……スタっちとか、タシタシとか、スタちゃんとかどうです?」
でも何故かノリノリなスターシ。
自身の愛称を何通りも出してくる。
いや、そんな急に言われても気まずいだけなのだが。
「スタっちーっ!」
しかし、こんなときこそあのアホ鳥の出番。
気まずい空気なんてなんのその。
全ての空気を無視して気に入ったであろう愛称を叫ぶコケ。
「あ、ありがとうございます♪やはり不死鳥様は素晴らしいお方ですね♪」
愛称で呼んでもらえてご機嫌になるスターシ。
…………なんだこりゃ。
「……さて、空気もほぐれてきたところで、質問に答えましょうか?」
「…………あ」
そう言えば、いつの間にか緊張しなくなっていた。
もしかして、これを狙ってわざとおどけて見せたのか?
「あ、ちなみにですが、愛称で呼び合いたいというのは本当ですよ?オススメは不死鳥様も気に入ってくれたスタっちなのですが、いかがです?」
「……スターシと呼ばせてもらいます」
「あら、残念」
フフッ、とからかうように小さく笑うスターシ。
真剣なんだかそうじゃないんだか、よく分からなくなってきた。




