三聖女、一堂に会する 3
「あの人はここまで、ってことか」
閉じた扉から視線を外し、周囲を確認する。
まず目についたのは、左右で等間隔に並んだ巨大な柱。
その次に、柱についた見慣れない光る球が見える。
そして、入口から奥まで一直線に敷かれたレッドカーペット。
そのレッドカーペットを足元から先の方まで順に視線で追っていくと、その一番奥に何やら石で出来た豪華な装飾がついた、まるで王様でも座りそうな椅子が一つあるのが見えた。
(…………あれ、誰か座ってない?)
よく見ると、その石で出来た椅子に誰かが座っているように見える。
全身が黒色で、胸のあたりに何か白いものが見えるが、少し遠くてよく見えない。
「____よくぞいらっしゃいました。私たちは貴方がたを歓迎しますよ」
透き通った綺麗な女性の声が聞こえたかと思うと、座っていた人影がスッと立ち上がる。
そして、こちらにゆっくりと歩いてきた。
こちらに近づくにつれて、ぼんやりとしか見えなかった姿が徐々に鮮明になっていく。
「……え、人間…?」
足首まで隠れるほどの長い丈をした修道服。
肩から胸の前まで覆う純白の前掛け。
そして、その顔はどこからどう見ても美しい人間の女性の顔、そのものだった。
一切の乱れもない、毛先まで綺麗に整った美しい金色の髪。
それに負けないくらい美しく透き通ったアクアブルーの瞳。
そんな、誰が見ても美人であると断言できるほど整った顔をした美少女が、アタシたちに向かってニッコリと微笑んだ。
その雰囲気はまるで聖母を思わせるほど柔らかく、全てを包み込んでくれそうな空気を感じる。
「__ようこそ、おいでくださいました。私、マーシャス王国を代理で治めています、スターシと申します。この度は、マーシャス王国を救って頂き、誠にありがとうございます」
(……やっぱり、人間…だよね?)
どう見ても人間にしか見えない。
もしかして、見えないところに魔族の部分を隠しているのか?
それが魔族の国を代理で治めている……
よく分かんなくなってきた。
とりあえず今のアタシに分かることは、この修道服を着た美少女の名前がスターシということと、この国の名前がマーシャス王国ということくらいだ。
(…………ん?マーシャス王国?どこかで聞いたような…?)




