追撃隊 マーシャス王国を救う 20
「__不死鳥様、並びにその御一行様。ご歓談のところ失礼致します」
横から声が聞こえてくるのでそちらに顔を向けると、そこにはフィフさんたちが綺麗な角度で腰を折っていた。
「この度はマーシャス王国を救って頂き、誠に感謝を申し上げます。つきましては、私共の国にて感謝の印におもてなしをさせて頂きたいのですが、お時間を頂戴してもよろしいでしょうか?」
頭を下げたまま、フィフさんは感謝の言葉を口にする。
口調も、先ほどまでと違ってすごく丁寧になっており、私たちに対する敬意と配慮がものすごく感じる。
(……きっと、コケさんのせいですよね…)
こんなにも態度や口調が丁寧になったのは、おそらくコケさんが伝説の不死鳥であると発覚したからだと思われる。
「ねー、なんでそんな変な感じでしゃべるのー?」
しかし、肝心のコケさん自身がその堅苦しい口調に不満がある様子。
「いえ、貴方様は不死鳥様であらせられますから、このくらいは当然でございます」
「むー、そんな無理にしなくてもいいんだよ?」
「ご心配、ありがとう存じます。しかし、不死鳥様を目の前に先ほどと同じように、というのは私の精神衛生上、大変よろしくないのでこのままでも話させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「……むー?」
つまり、不死鳥であるコケさんを前にして砕けた口調で話すと、恐れ多すぎて逆にプレッシャーを感じるから丁寧な口調のまま話させてほしい、ということのようだ。
ただ、言葉選びが難しくてコケさんはあまりよく分かっていないようだが。
「よく分かんないけど、そっちの方が良いってことー?」
「はい。おっしゃる通りです」
「むー……まあ、いっか!よく分かんないから好きにしていいよ!」
「ありがとう存じます。それでは、私共の国へご案内しますので、どうぞこちらへ……」
フィフさんは、私たちを案内するために先導を始める。
負傷した他の三人は、無事であった部下が魔法で運ぶようだ。
「ご主人様のところに案内してくれるのー?行くー!」
それに嬉々としてついていくコケさん。
「……仕方ありません。ついていきましょう」
「それしかないかぁー」
「俺は、地味におもてなしが何なのか気になるけどな」
「楽しみにするのはいいですけど、警戒はしっかりしてくださいね?」
さらにその後ろを、私たち四人でついていく。
この後、まさかあんなことになろうとは、この時の私は露とも思わなかった。




