追撃隊 マーシャス王国を救う 16
「__ねぇ、不死者いなくなったら、コケご主人様に会える?」
「……え?」
そのとき、急にコケさんが真剣な表情でそう尋ねてくる。
私は咄嗟に反応出来ず、いい加減な返事をしてしまう。
「不死者いなくなったら、コケはご主人様に会える?」
そんな私に、コケさんは重ねて質問してくる。
真っすぐ私の瞳を見つめるコケさん。
……何故だか、目を逸らすことが出来ない。
「……え、ええ…おそらく……」
かろうじて、それだけ返す。
すると、コケさんは空に顔を向けた。
「…なら、コケがやる。不死者は全部コケが消してくる」
コケさんの両手が巨大な虹色の翼に変化する。
……まさか、あの灼熱を再び生み出し、不死者ごと全てを焼き払うつもりじゃ…っ!
「こ、コケさん…!さっきの魔法は駄目ですよ!あの魔法は不死者以外のものも多く巻き込んでしまいます…!それを軍勢と呼べる規模に撃ち込んでしまえば一体どうなるか……っ!」
小規模ですらこんな惨状を作り出してしまうほどの威力。
そのあまりの威力の高さに、一部の地面はいまだにドロドロに溶けたままで、まるでマグマのようだ。
「心配しなくていいよ。本当の姿に戻れば不死者だけ攻撃出来るから」
「……本当の姿?」
すると、コケさんの両翼が金色の光を帯びていく。
鮮やかな虹色に彩られていた羽が、全て薄紅色に変わっていく。
その神々しい姿は、まるで伝説のおとぎ話に出てくる不死鳥を思わせるような姿で……
「これするとちょっと疲れるから嫌いだけど、ご主人様のためなら頑張る!」
両翼に纏っていた金色の光がコケさんの全身を包み込み、徐々に身体を変化させていく。
黄金の光はその濃さをどんどん増していき、ついには中にいるコケさんの姿が完全に隠れてしまう。
そして、しばらくすると少しずつ光が晴れていき、中が鮮明に見えるようになってきた。
「…………美しい……」
光の中にいたのは、今まで見たこともない絶世の美しい巨鳥が立っていた。
薄紅色をした両翼。
その縁を彩るように黄金色の羽が翼を一周しており、神々しさがより増している。
黄金色をした瞳に、一房の綺麗な黄金色の羽が顔の中心から頭の後ろにかけてトサカのように伸び、全身は両翼と同じく薄紅の羽で覆われ、そこに薄く黄金の光が全身を包みこんでいる。
尻尾も頭と同じように黄金色の長い羽が綺麗に伸びて、その美しさは思わず目を引かれるほど。
その姿は、伝説のおとぎ話に出てくる不死鳥、そのものだった。




