追撃隊 マーシャス王国を救う 7
「__なんだぁ?もう作戦会議は終わったのかぁ?」
男が退屈と言わんばかりに首をグルグルと回す。
「ええ、おかげで作戦は決まりました。それで、何故手を出して来なかったんです?」
「あぁ?そんなもん、雑魚がどんなことをしても雑魚だから意味ないってことを教えてやるためだよぉ!」
ギャハハ!と気持ち悪い笑い声を上げる男。
(…あの男、完全に私たちのことを舐めていますね…でもそこに勝機がありそうです。そして、問題はもう一人の方ですが……)
チラッと、もう一人の女の方に視線を向ける。
しかし、女の方は手を出すつもりがないのか、腕組みをしたまま動こうとする気配が無い。
男一人で十分だと思っているのだろうか?
「なんか勝てるとか思ってねぇか?まあ、小細工されるのも面倒っちゃ面倒だし……」
私たちの様子を見て何か気に食わないのか、そんなことを言いながら男は全身に力を込めて走り出す構えをとる。
それに合わせて、私たちもそれぞれ臨戦態勢に入った。
(あれだけ大きな腕だから動きは鈍重のはず…あの右腕の攻撃にさえ気をつけていれば__)
____ドンッ!
そのとき、重い地響きが聞こえたと同時に、視界の先にいたはずの男の姿が消えた。
「…え?」
そして、一瞬で私の前に現れた。
「__まずはお前から潰れろ」
そう言って、巨大な右腕を振りかぶる男。
油断した
気を抜いていた
こんなに速いと思っていなかった
私の脳内を一気に駆け巡る。
周囲の景色がスローモーションへと変わる。
その状態で横に顔を向けると、イーリスがものすごく焦った様子で私に駆け寄ってくるのが見えた。
(…まさかあの右腕でメアと同等の速度で動けるとは…舐めていたのは私の方だったようです……)
そこまで考えたところで、男の右腕が無慈悲に振り下ろされ____
____ガギンッ!
何か透明な壁のようなものに阻まれ、男の右腕が私に届くことはなかった。
「…は?なんだぁ?こりゃあ」
ガギンッ!ガギンッ!ガギンッ!ガギンッ!
男は自身の攻撃が防がれたのが納得いかないのか、何度も何度も右腕を振り下ろす。
しかし、その度に透明な壁のようなものにぶつかってそれ以上私に迫ってくることはなかった。
(……これは、メアの魔力の壁?)
メアの得意技の一つである、魔力を壁にして攻撃を防ぐものにすごく似ている。
しかし、魔力の壁を使える人なんて、私たちには__
そのとき、ものすごい視線を感じてそちらに顔を向ける。
すると、そこには涙目になったコケさんの姿があった。




